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自分はどうしたいんだろう?
子どもの頃あんまり好きじゃなかった「耳をすませば」(1995)。なぜならわたしはこれを恋愛映画だと思ってたから。
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読書が大好きな月島雫。図書室で本を借りると、本の借主を記名する貸出カードにいつも“天沢聖司”の名前があることに気づき、会ったことのない彼に密かに憧れを抱いていた。ある日図書館へ向かう途中電車の中で出会った不思議な猫。雫は猫を追いかけてみることに…
という話。
たしかに青春時代の恋がベースにある。たけど今見ると別のテーマの方が胸に響いてしまうんだな。映画だって本と同じで、観た時によって感じ方が変わるものなのだなぁと思う。途中の「カントリー・ロード」でセッションするとことか、涙が出ちゃった。
雫は、バイオリン職人という夢を持つ聖司に触発される形で、「自分の道」を意識し始める。受験を控えていながらまだ道を決めかねている雫からすれば、夢を実現しようと行動する聖司は大人に見える。
「自分は何がしたいんだろう?」
漠然と不安に思う気持ち。こういうふうに迷うのは、今や思春期だけの特権ではない。
このお話の中には聖司以外にも「自分の道」を歩み始めた人物が複数いて、大学院に通う雫の母、家を出ると決めた大学生の姉などがそれに当たる。しかし彼らの道だってまた、何も約束されていない不確定なものなのだ。
不安ながらも踏み出してみる雫の挑戦。自信もないし、どうしたらいいのか自分でもわからないけれど、、という葛藤が痛いほどわかる。
あぁ、40前のわたしだって、今も中学3年生の雫と同じように悩んだり、迷ったりしてるんだもの。
最後は「大好きだー!」が気持ちいいくらい純粋すぎて笑ってしまった。甘酸っぱすぎてこういうとこがくすぐったいけど、これが今俳優の高橋一生さんの若かりし頃の声とな。もう一度声を聞くためだけにでも、再度見する価値アリの、作品です。
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