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感動するにはどうしたらいい

オタクを辞めて1年以上経った今、見事なまでの鬱々とした日曜日。
私にはやっぱりアイドルのときめきが必要なんじゃないかと思って、とあるグループの動画を何本か観る。

ははぁ、これは売れるわけだ。
芸能界一大勢力、権力の象徴、死んでなお世界中をざわつかせるサングラス……今彼らに触れるには、色々なことが頭をよぎるけれども、そんなこと関係なしに彼らには実力と運があるんだろうなと思う。

いちいち素晴らしくて才能に溢れて外見にも恵まれて、ファンからすると推さない理由がないのも頷ける。とても良くわかる。
わかるけれど、私は踏み出せなかった。

踏み出せなかった理由。それはきっと1つじゃない。

この1年で私はガラリと変わってしまった。もう、ときめきだけで満足できる人間ではなくなってしまった。それがまず1つ。

もう1つは、やっぱりあの時選んだ界隈に後悔はないということ。
前述のグループの動画を観た後、久しぶりにあの界隈を覗いた。

彼らも私と同じようにガラリと変わっていた。
ダイナミックに小さくなっていた(ファンは当然「進化」だと思っているだろうな)。
そしてあの彼。
変わらないその美しさを、私はなぜか痛々しいと思った。

だけど、同時に思ったのだ。
暖かかったな、居心地良かったな、彼らが優勝だなと。

両グループを比べてみて改めて、やっぱり私はダイナミック退化してしまった昔の界隈を選ぶ。
アイドルを推すという慎ましい行為ができたのは、あの時あの場所で生きていた私の目に、偶然にも彼らが映り込んだから。
彼らじゃないといけなかったのだ。

そんな元界隈を見ても、今の私は何も感動しなかった。引き潮がスーッと沖に去ってしまうように、私は静かな気持ちになった。

感動の仕方。それが最近わからない。
「そりゃ元界隈なんだから感動しなくて当然でしょ」と思うけれど、小説やテレビや映画、ありとあらゆるエンタメに触れても、昔ほど感動しなくなった気がする。
だから、辛い時の乗り越え方の7割くらいが削がれたような、最近はそんな暗さがずっとあるのだ。

この暗さを何で晴らそうか。
今はまだ何もわからないけれど、ツボ押しの勉強でも始めてみようかと、唐突に思いついた。

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