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つめたい風と謝辞

今日の夕方は風が冷たかった。
つい最近まで嘘みたいに暑かったのに。
風の奥のそのまた奥、ずっと先にある冬を微かに感じた。

帰宅したら、パンフレットが届いていた。
ツボ押しやリンパケアの資格の通信講座。担当者の名刺まで入って。
勉強して意味あるだろうか。
パラパラとめくりながら、今日できた人差し指のささくれがじりじり痛む。

私が求める意味。
「それを学ぶことで、将来起業できるだろうか」
「その知識が、収入アップにつながるだろうか」
現実を見つめれば、すかさず迷いが出る。
無理だよと、自分自身で横槍を入れてしまう。

今日みたいに頭が極限までぼんやりした夜は、きっと何を考えても「意味ないじゃん」とうつむいてしまうだろう。
意味があるかと問われたら、「あるかもしれないしないかもしれない」なのだ。

ただ、これだけは言い切れる。
駄目なことではない。
どこに辿り着くかわからない暗闇にえいっと飛び込んで、気づいたら元いた場所よりも楽しい場所にいた。
この世の中を探せば、そんな人は山ほどいる。

昔みたいに、「行動しなかったらあんな奴になる」と周りの人を冷たい目で見ることはなくなった。
あとは私をなんとかするしかない。
暗闇に飛び込んでから、楽しい場所に着くまでの道のりを選ぶだけなのだ。
それだけ。それだけのこと。

お母さんは若い頃おばあちゃんにつらつらと指示されて、嫌だっただろうな。1日の最後に「なんで私が」と思った日だったけれど、滅多に会話ができない人からの「ありがとう」は今も光っている。





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