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ポンコツ奮闘記VOL.3姉の打算


「そっか。うーん。あまり期待されたくないからな、5%も満たないけど、可能性にかけて頑張れる?」

タバコの煙をふかしながら、そんな言葉を聞いた。新卒1年目の夏である。

とあるポップアップ(イレギュラーで区画をもらって販売する事)の打上げで、ブランドマネージャーから発せられた一言である。
もともと、アパレルの世界の入りたいと思ったきっかけは、カリスマ販売員に憧れていたわけではなく、プレスのように販売促進のためのプロモーションを担当する人間になりたかったのだ。

「絶望」

にも聞こえたが、希望と捉えたかった。可能性がゼロではないのだったら、これにかける!そんな熱意で数年は過ごしていた。

でも、悲しいかな人間とは慣れる生き物である。わずか5%の逸材に入る野望よりも、95%の日常に埋もれていくのである。

そんな日常を変える出来事が起こった。

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