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学会デビューしてきた

タイトルは半分真実で,半分は虚偽の情報を含んでいる。
先週,自分の研究のメインフィールドである学会で発表してきた。
その学会で発表するのは初めてのことで,さらに言えば対面参加すら初めてのことだった。
学会発表自体は別の学会で経験したことがある。それでもその時はオンラインだったものだから,対面での発表ともなれば,全く異なる感覚を味わうことになるだろう。

実際,対面での発表はもうこのまま泡を吹いて倒れてしまうのではないかと思うくらい緊張した。自分の声よりも鼓動の方がうるさい。声が上ずる。呼吸が浅くなる。
それでもなんとか発表し終えた。練習不足極まれりだが,これは今後の入植後の経験でカバーしていきたい(もちろん練習するけど)。

実際のところ,発表の出来は置いといて,研究について興味を持ってくださる人がこんなにいるのか,と嬉しくなった。他にも魅力的な発表タイトルがずらっと並んでいる中で,自分の研究テーマを選んで,そいの成果を朝はやくから聞きに集まる人がいることに感動した。
何しろ午前9時発表開始,しかもただの大学院生の発表で,その小さな講義室は半分以上埋まっていたからだ。

その中には,学会の中でもとても重要なポストに就いていらっしゃる先生がいたりして,非常に本質を突くような質問にたじろぐこともあった。それでも,貴重な助言をたくさんいただけたことそれ自体は,今後の大きな糧になること,間違い無しだろう。「意義のある研究だと思うから,頑張って」というお言葉がどれだけ真実かはわからないが,所詮学会では瑣末な研究なのだろうと思っていたからこそ,大きな自信にもなった。
また,一方的に聞いているだけではなく,自分自身も分科会で質問することができた。あまりいい質問だったかはわからないし声は震えていたが,それでもお話を聞けてよかった。

大学院や学部を卒業して,すでに現職教員となった同期や先輩・後輩とお会いし,お話をすることもあった。
印象的だったのは,そこに集った誰もが,日々学校現場では忙殺されようとも,発表できずともこの場に居続けることで,研究に向かい続ける,自分をアップデートし続けたいと語っていたことだ。
ジュディス・バトラーの話で似たようなことを先生から聞いた気がするが,1つの場にこれだけたくさんの社会科教育・学校教育をよくすることに対して並々ならぬ情熱を抱いている人がいるのだということが身体に対する実態感覚を伴って可視化されることは,これだけ安心感や勇気につながるものなのだということを実感した。まさに集団として連帯することでエンパワメントされるということだと思う。

願わくばこれが1人1人の背中を押すだけでなく,社会の中で確かなパワーを持つようになりますように。

大学院での研究費用として大切に使わせていただきます、ありがとうございます!