ぽんじゅについて
〜ぽんじゅとの出会い〜
ぽんじゅと出会ったのは、私が某ペットショップで働いていた時に出会いました。
私は当時学生で、アルバイトで勤務していました。
私は学生バイトだったのでレギュラーではシフトに入っておらず、週2〜3日勤務でした。
そこのペットショップはケージに小型犬の仔犬を展示していて、大型犬はバックヤードにいる構造でした。
新しい犬が仲間入りすると、その日にマイクロチップの番号を確認して健康状態をチェックします。
でも、その日は違いました。
朝出勤するとバックヤードに子犬を入れて運ぶプラスチックのカゴが蓋が締まったまま真ん中に放置されていました。
私は店長が棚に直すのを忘れたのだと思い込み、着替えていつも通りお店の清掃をしていました。
すると、バックヤードから明らかに子犬の不安そうな泣き声が聞こえてきました。
子犬がバックヤードにいるはずはない時間帯なので、私は嫌な予感がしました。
急いでバックヤードに放置されているプラスチックのカゴを開けると、ポメラニアンの子犬がいました。
ろくにお水もご飯も与えられていない様子で、痩せ細り、お腹は凹んでいてパニック状態で力なくクンクンと鳴いていました。
恐らく2〜3日ほど、その状態で放置されていたと考えられます。
その日の前日にシフトに入っていた人に聞くとすでにそのカゴはそこにあったのです。
その日は肌寒い11月でした。
私は急いで子犬を抱き抱えると暖かい店内に移動させ、お水を口元に持って行きました。
でも、相当怖くてパニックを起こしていたので一口もお水を飲んでくれませんでした。
小刻みに体は震えていて、2日も水や食べ物を口にしていないのでいつ病気になってもおかしくない、とても衰弱していました。
わんちゃんや猫ちゃんが病気でカロリーを取れなくなってしまった時用の入院食のような缶詰があったので、お水で溶いてシリンジで食べさせようとしました。
でも、口を背けて全く食べてくれません。
相当怖い思いをしたのでしょう。
寒い上に雨や雷がたくさんあった週だったのを覚えています。
無理矢理口元につけると、美味しかったのか缶詰を入れていたボールにダイブしてご飯を食べてくれました笑
お部屋に暖かい毛布を引いて休ませました。
その子がぽんじゅです。
ぽんじゅは最初は私や他の従業員さんを警戒してずっと無表情でした。
あんなに怖い思いをさせられたので当然です。
〜ぽんじゅになるまで〜
それから私が出勤するとぽんじゅは尻尾が千切れそうになるくらいブンブンと元気よく振って私を出迎えてくれました。
一つ一つ犬舎を掃除する時も、じーっと私が掃除しに来るのを待っていました。
私が仕事で仕事場を歩き回っていた時もずーっと目で追っていました。
彼女のあだ名は「ストーカー」になりました笑
とても可愛くて元気な子なのに、悲しいことに一向にお迎えは来ませんでした。
そしてぽんじゅは生後半年になりました。
体も成長し、犬舎に入れるのは狭すぎて可哀想なので特別に外にゲージを作り、他の半年を迎えた子達と一緒入ってもらいました。
その時のそのお店の店長は20代前半の男の人だったのですが、この人がまあ使えないダメダメ店長。
ぽんじゅをバックヤードに置き去りにしたのも当時の店長でした。
店長は犬がそんなに好きではないようで、犬に対する愛情がある接し方ではなかったです。
きっとこの人にとってはめんどくさい商売道具くらいに思っているんだろうなと。
そして、一番聴きたくなかったことを耳にしました。
店長「こいつ(ぽんじゅのこと)可愛くないからどっかやろうか」
ここの「どっかやろうか」とは売れ残って邪魔なので違う店舗かどこかにやられてしまうという意味です。
私はペットショップで売れ残った犬や猫たちがどこにいくか教えてもらったことがありません。
正直、嫌な想像ばかり廻ります。
その発言と同じ時期に私は短大を中退して実家に帰ることになりました。
帰る事が決まってからはずっとぽんじゅが気がかりでなりませんでした。
私がいなくなったらあの子は誰が守ってくれるのだろうか。
誰がお世話をしてくれる?
本当に家族にしてくれる人が現れる?
その人は大事にしてくれる?
ずっと狭い犬舎にいて外の楽しい世界や美味しいご飯も知らずに生きるのだろうか。
そんなことを考えているうちに、寝てる時でさえも夢の中にぽんじゅが出てくるようになりました。
そこで決心しました。
ぽんじゅは私が死ぬまで面倒を見ると。
もちろん実家に連れて帰るので両親の許可が必要です。
実家に帰って両親にたくさん頼みました。
迷惑はかけないから家族にしてほしい。
私が責任を持つから。
両親の了承を得ると同時に私はペットショップに行きぽんじゅをお迎えすることを従業員の方に伝えました。
当時学生でお金がなかった私はうん十万なんて大金はパッと出せません。
ペットショップのローンを組みました。
そして彼女は家族になりました。
私の大事な娘になりました。
かけがえのない家族になりました。
今思えば、彼女との出会いは運命だと思います。
出会うべくして出会った。
ぽんじゅがバックヤードで私を呼んでくれたのだと。
私の家族になってくれたのだと。
たくさんの幸せを運んでくれる我が家の天使です。
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