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鴛鴦 -コロナ禍に日本一周したラッパー夫婦の旅- 【第7話】

第11章・袋田の滝・いわき駅前篇

翌朝10時にチェックアウトを済ませ、待ち合わせ場所であるファっちゃんのピザ屋さんへ向け出発。

天気はあいにくの雨だ。
まぁストリートLIVEをしていない時間に降って貰う分にはいいんだけど。

待ち合わせ場所である『PIZZERIA KOZO』にファっちゃんより少し早く到着。
隣にある『こんにゃく関所』で実家へお土産に生こんにゃくと湯葉を購入しそのまま発送してもらった。

そうこうしているとファっちゃんも到着。
軽くチルして茨城県は大子観光スタート。

旅荷物で溢れかえっていた後部座席を妻の収納スキルで人一人が座れるスペースを確保、そのままナイスパニックカーに乗り込みいざ袋田の滝へ。

道中雨が降ってはいるが午後には止むとの情報。本日も夕方、福島県でストリートLIVEをする予定なので少し安心した。

ファっちゃんの指示に誘われるがまま15分ほど車を走らせると袋田の滝の駐車場に到着。
コロナ禍に加え雨が降っていたからだろうか、人がいない。
まるで貸切の世界に来たかのような感覚を味わいつつ先へ進んで行く。
滝まではここから少し(1.5km程)歩くらしく、自然の空気を吸い込みながら天然のマイナスイオンを堪能する。

「空気が美味しい」

少しすると『袋田の滝トンネル』の入り口に到着。
トンネル通行料を支払い中へと足を進める。

トンネルは真ん中に白線が引いてあり左側通行、前を見ても先が見えないくらいの長さだ。
トンネル内も滝からのマイナスイオンが溢れていてとても氣持ちが良い。

FAT山「徐々に音がしてきます」

歩みを進めると滝の音がどんどん近づいて来る、
少しするとT字路になり第一滝見えスポットに到着。
観光気分を爆上げする顔くりぬきタイプの写真撮る用背景にてパシャり。

さらに先にある一番の滝拝みスポットへ。
この時点で滝の音が凄い、足を進める度にどんどん興奮してくる。

そして遂に、袋田の滝が目の前に

「うわー!!すげー!!凄いよこれは!!フォー!」

滝から発せられる爆音と大量のマイナスイオンと滝からの風に大興奮。

圧巻の光景。

僕は人がいないのをいいことに一切感情を隠す事なく大声で叫んでいた。

一通り袋田の滝を五感で堪能し、トンネル内の四度滝不動明王様にお手を合わせ出口へ向かう。

途中にあった蕎麦屋さんで昼飯をシバく事に、滝の音とイオンを感じながらざる蕎麦と蕎麦だんごで腹を満たした。


昼食を終え一度ピザ屋までファっちゃんを送り届け、次の目的地へ。
本当に氣持ちのいい時間でした。ファっちゃんありがとう!!ナイスパニック。

(DJ FAT山さんとナイスパニックカーの前で)

次の目的地は福島県いわき市、の前に先日メキシコくんから教えてもらった名湯『鹿の湯』へ立ち寄る事に。
メキシコくん曰くここはあまり外観とか綺麗ではないけど、何よりお湯がハンパナイスパニックとの事。温泉好きの我が家にとって欠かすことの出来ない情報だ。ありがとうございます。

1時間ほど車を走らせ山の中の『鹿の湯』に到着。

大きな民家風の屋敷の中の待合室で待っていると女将さん??の方が受付を済ませてくれた。
どうやら貸切風呂もあるという事で夫婦で入浴。

お湯は茶褐色で浸かっていると内側からポカポカと熱が上がっていく。
お湯から手を上げた時に手がお湯から出てても、もわーんとした温かさが持続している。
ハンパナイスパニック。

貸切という事もありゆっくり浸かって体の疲れを湯に流して全回復。とてもいい湯でした。

お風呂から上がりすっかりリフレッシュ氣分な僕たちは再び本日のストリートLIVE開催場所の福島県はいわき駅を目指す。

途中立ち寄った『鹿の湯』は茨城でも割と福島県よりだった為、2時間ほどでいわき市に到着そのままいわき駅へと向かう。
本日はずっと動き回っていた為LIVEセットは組まずその場の雰囲気に合わせてLIVEを進行してく事に、SP-404を使って自分で演奏するからこそ出来るスタイルだ。

LIVEの即興性も高められるし何より空気を掴む、作るというスキルが試される。逆に楽しみになってきた。

駅に着きLIVE出来る場所を探していると時計台がある広場の前にすでに何人か若者達が集まってサイファーをしていた。

P「ナイスパニック、すでにやってるんだね」

青年「はい!twitter見て来ました」

話を聞いてみるとよくこの場所でいわきサイファーをしてるとの事で本日はここでLIVEをする事に。若者達と地元の話などを聞きながらLIVEの準備スタート。
僕が来る前からサイファーもやっていたし今回もマイスを二本用意してみた。

18時45分。47都道府県ストリートLIVEツアー5県目、福島県いわき駅前篇スタート。

Let’s nice panic” “i say ナイス you say パニック”とノリノリでFLOWを続ける。

LIVEの時間帯が夕方という事もあり学校帰りの学生が足を止めて見入ってくれている。
声を上げたりノリノリな子もいればシャイな子もいたり様々だ。ナイスパニック。

今回で5回目のストリートLIVE、最初はどうなるかなとも思っていたけどセットリストを作らないでするLIVEもなかなか楽しい事が判明。
完全に演る側の意見だけど『生』感が凄い、癖になるかもなんて思いながら氣持ちよくLIVEを進める。

そんなLIVEも終盤に差し掛かりここでマイクが2本ある事を伝えナイスパニックサイファーがスタート。

待ってましたと言わんばかりにすかさずマイクを握りに来てくれた。
最初は僕から始まってマイクパス、途中ビートボックスも加わりナイスなセッションとなった。ナイスバイブスで参加してしてくれたいわきのソルジャーにBIG UP!! ナイスパニック。

サイファーも合わせ1時間ほどでLIVEは終了、その後恒例のナイスパニック行商タイム。

この日はツアーはじまって以来一番物販が売れなかった。
まぁそれはそれだ。氣持ち切り替えて次に活かそうと思った。押忍。

行商タイムも終わり荷物を片付けていると一人の青年が話しかけてきた。

LIVEの途中からずっと目の前て見てくれてた兄ちゃんだった。
なんと茨城県から観に来てくれたとの事だった、ナイスパニック。

彼の話を聞いているとどうやら若者達にHIPHOPの歴史をしっかり伝えられるような本を出したいとの事、いい目標だなと思った。
見た目からして氣合い入ってそうだし目が真っ直ぐだったので一緒に飯を食べないかと誘ってみる事にした。

P「飯食った?まだなら飯食いながら話聞かせてよ。駐車場にナイスパニックな車あるから荷物片付けるついでに見てって」

青年「いいんですか?是非」

荷物を車へ乗せて夕飯を食べるお店探しに再び駅の方へ向かう。
途中妻がヘアゴムを買いたいからと駅前のファミリーマートへ入っていった。

ここで半端じゃナイスパニックな出来事が。

ファミリーマートの目の前のバス停のベンチに一際目立つ風貌のお兄さんが腰かけていた。
あれ?なんか見覚えがあるシルエットだなと思い顔を覗き込んだ僕はまさにナイスパニック。

なんとその見覚えのある方はラッパーの十影くんだったのだ!

P「あれ?!?!十影くんじゃないですか?!」

十影「おお!PONEY!びっくりしたぁ!!」

P「ほんとびっくりしました!今さっき駅前でストリートLIVEやってたんですよね、、」

と、その時もう一つナイスパニックが!

十影くんと話していると一人の男性がスッと目の前に入って来た。

顔を見上げるとなんと、そこにはラッパーのDAZU-Oくんの姿が!

完全アポ無しいわきの道端での巡り合わせに、宇宙を感じた瞬間でした。

これぞナイスパニック!!

(左:DAZU-Oさん 中:十影さん 右:PONEY)

ストリートLIVE全国制覇まで

残り42県。

Let’s nice panic!!!


つづく 

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