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真実の愛とおひとり様の終幕

衝撃のニュースがツイッターを駆け巡った。日本のみならず韓国や中国でも多くの支持者を抱え、おひとり様として心穏やかに生きる術についての書籍を出していた日本フェミニズム界の女帝というべき女性が既婚者だったというのだ

正確にはすでに夫である男性は他界しているため今はおひとり様とのことであるが、独りでも幸福に生きる方法について熱弁を振るい、多くの未婚女性から希望を与えてくれる存在として尊敬を集めていたフェミニズム運動家の思わぬゴシップに界隈は騒然としている。

たしかに彼女の書籍を買い、思想を指示してきた未婚のフェミニストたちにとってはこれ以上ない裏切りであろう。女の敵は女、という言葉がこれほどふさわしい事例もない。裏切られた支持者たちはショックは計り知れないし同情せざるを得ない。

しかし筆者は以前より「あまり言論人やネットのインフルエンサーの過激な意見を間に受けることは危険である」と提唱してきた。

過激であればあるほど注目を集め利益になる言論界隈やSNS界隈では、どうしても有名人ほど発信する内容が過激になって行きがちである。しかしそのほとんどはポジショントークに過ぎず、SNSを離れれば言論人やインフルエンサーたちは人生でやるべきことはしっかりこなしていることがほとんどである。過激な思想にハマり過ぎると必ずある日突然ハシゴを外されて落下するハメになる。

今回の事件にショックを受けた人はSNSを閉じて街に出て現実社会に触れる習慣をつけていく良い機会ではないだろうか?現実はSNSにはなく公園やショッピングモールにあるのだから。

話を戻そう。既婚者であることが明るみになったフェミニスト運動家の女性は太い実家に生まれ才覚にも恵まれ、素晴らしい学歴と仕事を持ち、フェミニズム言論界でも大きな権威を持つという、まさに”おひとり様”として人生を謳歌するための全てを兼ね備えた人物であった。おそらく若いうちは異性と付き合うことはあっても結婚など微塵も考えなかったであろう。なぜなら、結婚などしなくても生活にも交友関係にも困ることがないほどの様々な資本に恵まれているからだ。

しかしそんな彼女であったが、ある時から特定の男性と交際を始め結婚した。その男性との関係は25年以上も続き、結婚生活の後半は夫の介護まで引き受け、夫の最後を看取り葬儀までしっかり取り仕切ったとのことだ。

個人の自由を何よりも重視し、おひとり様として気楽に生きることを提唱した彼女が人生の終わり際にとった行動は、老いた夫のもとへ通い自らの手で最後まで介護する、というなんとも保守的で美しい昔ながらの夫婦の形である。

彼女の資産を持ってすれば介護を全てアウトソーシングできたはずである。しかし彼女はそうはしなかった。最後まで自分も介護することを選んだ。そもそも立場やメンツを考えれば事実婚にとどめておくことがクレバーな判断であったはずだ。それでもあえて結婚という形をとったというこもは、そこには紛れもない真実の愛があったはずである。

一体彼女の思想にどのようや変化が起きたのであろうか?70代中盤の彼女が夫と出会い関係を持ったのは25年以上前、つまり40代後半になったころである。

筆者は以前より45歳が人生の大きな節目であると書いてきた。彼女が自身の思想とは真逆の結婚という形を意識しだしたが40代後半であったことは偶然ではない。なぜなら45歳を境に多くの人の人生は大きな転換期を迎えるからである。

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