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暇すぎる生活はなぜ人を狂わせるのか?

自由時間と幸福度の研究結果がツイッターで話題となっていた。ペンシルバニア大学が2万人以上の人を対象に行った研究の結果、1日の自由時間が5時間を超えると人の幸福度は低下することがわかったのである

研究チームは最初に、「American Time Use Survey(アメリカ人の時間使用調査)」の2012〜2013年までのデータを分析しました。この調査では、参加者2万1736人に対し、「1日をどのように使っているか」について、各活動の時間帯と持続時間まで詳細に記録してもらい、同時に主観的な幸福度も報告してもらっています。データ分析の結果、幸福度は自由時間が増えるにつれて右肩上がりに高まったものの、2時間を超えると横ばいになり、さらに5時間を超えると低下し始めたのです。

ナゾロジー
自由時間が多すぎると「幸福度が低下する」と判明

その結果に対してSNSでは賛否両論が巻き起こっていたが、筆者がこのニュースを見て感じたことがある。それは「やっぱりそうだよな」ということだ。

自分の時間は大切である。このことに異論がある人はいないだろう。特に今の時代はSNSや多種多様な趣味など、いつでも気軽に楽しめる娯楽で溢れている。しかし、5時間以上を超す自由時間はさすがに長すぎると言わざるを得ない。週末だけならまだしも、毎日が暇すぎる生活は危険なのだ。

人生の中で最も体力があり、なおかつ肉体的、頭脳的、精神的に成長できる10代20代の若いうちなら、暇な時間を活用して自分の興味のある分野に全力投資し、成長することができるだろう。一見無駄に見えるインプットでも、将来に役立つ可能性もある。

しかしアラフォーアラフィフの年齢になってくるとそうはいかない。なぜなら中年たちには5時間以上自分の好きなことに没頭する体力や気力がないからだ。若者と違い中年たちはせっかくの自分時間があっても、暇を持て余してしまうのである。

せっかく時間があるんだし何か凄い楽しいこと、ワクワクすることがしたい。いやすべきだ。そう思っても気持ちと身体がついてこない。その結果、体力がなくても脳内物質を出して気持ちよくなれる酒やギャンブル、散財、性的快楽、SNSばかりに時間を使ってしまい、無駄どころか身体に害悪な時間の使い方をしてしまうのだ。中年期以降の長すぎる暇な時間は、中年の肉体と精神を確実に蝕んでいく。

生活に困窮するほどのお金を競馬やパチスロで溶かし、Vtuberへの投げ銭やスナック嬢への貢ぎ物で散財し、昼間から酩酊するほど酒を飲んだりしながら「俺は幸せだ!時間がたっぷりあるし好きなことをして生きている!」と本人が叫んでも、それは脳内物質への依存症になっているだけで、上手く時間を使って楽しんでいるとはとても言えないのである。

さらに年老いていくほどに、人は自分の力ではどうしようもない問題を数多くかかえるようになっていく。老いからくる健康問題や年老いた両親の介護問題、仕事で上と下の板挟みになり、家では子供が反抗期……

そんなトラブルだらけの中年期に無駄に時間を抱えると、ついどうしようもない問題について悶々と悩んでしまい、どんどんドツボにはまってしまう。気にしないことが一番の解決策になる問題に対して無駄に暗中模索してしまうことは、人生の幸福度を大きく低下させてしまうのだ

過ぎたるは猶及ばざるが如し、本来心と体をリフレッシュしてくれるはずの時間が身体を破壊していくのである。インターネットでは平成時代の頃から「無職を長期間続けるには才能が必要である」と説かれてきたが、暇な時間と上手く付き合っていくためには素質や対策が必要なのだ。

とはいえ、長すぎる自由時間が中年の精神を蝕むのと同じように、全く自由時間がない生活もまた幸福度を低下させてしまう。

自由時間が1時間を切ってくると、多くの人間は諦めて24時までに布団に入るよりも、睡眠時間を削って自分の時間を確保しようとする夜型人間の場合は23時ごろからスイッチが入るので、気が付けば自由時間を無駄に長くとってしまい、睡眠負債を抱えて交感神経が債務超過になってしまいかねない。睡眠時間を払い自由時間を買う生活は若者ならいざ知らず、いい歳のオジオバにとっては肉体的精神的に非常に危険な行為なのだ。

ではアラフォー以降の特別な素質を持たない人間にとって、どの程度の自由時間が適切なのだろうか?

それはズバリ2~3時間だ。

冒頭で取り喘げた研究結果では、暇な時間が2時間を超えると幸福度の伸びが横ばいになると書かれていたが、これは体感にも合致する。趣味があまりない人なら2時間、多趣味な人間でも3時間程度の自由時間がある日々が、最も多くの中高年が幸福度が高い日々を送れるのにちょうどよいのである。

オジオバになって以降も、毎日2~3時間の自由時間を確保することができれば、暇を持て余すことも、睡眠時間を削って時間を捻出する必要もなく、最も幸福度が高い生活を送ることができるのだ。

では、どのようにして自由時間をコントロールすれば良いのであろうか?まず初めに、日々の自由時間が2~3時間確保できない場合に取るべき対策から話していこう。自由時間を作るためには……

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