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続・実家ガリガリ勢の俺たちがやるべきこと

筆者は以前に実家ガリガリ勢がすべきことに関する記事を書いた。今回はその続編となる。

人間は生まれながらにして平等とは言い難い。人種、ルックス、頭の良さ、体力、免疫力、コミュ力、身長、太りやすさ、声質……人はこの世に生を受けた瞬間から避けようがない格差に晒されている。もちろんそれは世界でもトップクラスに平和で、人種的な多様性もまだ多いとは言えない日本も例外ではない。

日本で大きな問題だと認識され始めている格差がある。それが“経済格差”だ。一億総中流と言われた時代は今や昔、1990年代のバブル崩壊から端を発した日本の高度経済成長時代の終えんと、失われた30年は日本に経済的不平等を生み出すには十分だった。

生まれ持って太い実家を持つ者の最も有利な点が“失敗が許される”ことである。インターネットには度重なる失敗にもめげず、不屈の精神で何度も立ち上がり、最後は大成功を収めた起業家や実業家たちのサクセスストーリーで溢れている。

しかし、それらの物語には裏がある。実は彼らの多くはタフだったから復活できたのではなく、失敗して崖から落ちる度に、太い実家というセーフティネットに助けがあったら復活できていただけなのだ。しかし、彼らはそのことに触れない。親にマジ感謝と口に出すラッパーを見習ってほしい。

我々実家ガリガリ勢はインターネットに溢れる実家が太い成功者たちに憧れて真似してはならない。我々には彼らのように救命胴衣も防弾チョッキも身につけていない。海に落ちたり銃弾を受ければゲームオーバーだ。

実家ガリガリ勢にとって大切なことが地に足のついた生活を送ることだ。ふわふわした気持ちで生きていればいつ奈落の底に落ちるかもしれない。浮ついた気持ちはティーンエイジャーのうちに卒業し大人にならねばならない。アラサーアラフォーになっても夢追い人、ピーターパンとしてネバーランドをふらふらしていられるのは親が金を持っている奴らの特権なのだ。

では地に足のついた生活とは何だろうか?それは分不相応な生活を送らない、無駄に生活レベルを上げない、ということである。もちろん全くお金を使わずに仙人のような生活を目指せというわけではない。適度にお金を使わないと人生は前には進んでいかないからだ。しかし、まだ稼ぎの少ない若いうちから、ローンやリボ払い、ツケ払いなどで物やサービスを購入することは絶対に避けるべきである。

まず給与が振り込まれれば、そのうちの幾分かを“蓄え”に回したうえで、残った金額を有意義に使うようにするのがベストだ。実家の財力に頼れない人間にとって、自分自身で蓄えを築くことは非常に重要だ。人生は何があるかわからない。

お金には2つの使い方がある。一つが夢を叶えるための攻めの使い方だ。蓄えを持つことにより、結婚式や新婚旅行、住宅購入などの人生の攻め時に臆することなく前にでることができる。

もう一つが問題を解決する守りの使い方だ。自身や親族、配偶者の病気や親の介護、職場の倒産など、突然襲い掛かる不幸の散弾から身を護る盾にもお金は使うことができる。お金は矛にも盾にもなる万能の武具なのだ。

この世が戦場なら金は実弾』というセリフが銀と金という漫画に登場するが全くその通りと言わざるを得ない。無尽蔵に銃弾を供給してくれる太い実家を持たない我々は、自分で銃弾を集めなければ人生という名の戦場で生き残ることは出来ない。

筆者も若い頃からコツコツと実弾を溜め込んでいたおかげで、結婚式や住宅購入やらを乗り越えることが出来た。しかし、ここにきて大きな問題が発生している。

それが“蓄え方”を考える必要が出てきたということだ。

筆者が若かりし頃の日本は、空前の平成デフレ時代であった。そのため、何も考えずに現金を貯めておくだけで何の問題もなかったのである。しかし、この円を信じる錯覚は令和になり完全に崩壊してしまったのだ。

現金貯蓄がなぜ実家ガリガリ勢を救う力を失ってしまったのだろうか?その大きな理由の2つが、円安とインフレーションだ。

円安により海外製品の値段は軒並み急上昇、今や最新式のSIMフリーiPhoneの価格は我々サラリーマンには手を出せないレベルにまで上昇している。iPhoneが値上げしている面もあるが、それ以上に価格上昇の原因となっているのが円安なのだ。私たちがせっせと貯蓄してきた円の価値が日々暴落してしまっているせいで、iPhoneを買うのにも苦労する時代になっているのである。インバウンド事業の盛り上がりや大谷翔平選手の年俸が円換算で100億(7億ドル)を超えるなどメリットもあったが、筆者のように現金で握りしめている人間からすれば素直に喜べない事態だ。

さらに現金大好き勢に大打撃を与えているのがインフレーション、物価高騰だ。食品、ガソリン、嗜好品、工場の部材、人件費……様々なものが高騰を続けているのである。平成初期から中期にかけての大デフレ時代、ハンバーガーが1個80円で食せたあの頃であれば、定期預金をしているだけでお金の価値が上がっていた。しかしインフレの今は全く逆で、物価高が進めば進むほど、せっせと貯めこんで来た円の価値が下がっていってしまうのである。

東京や大阪の新築マンションの不動産価格などは顕著で、もはや平均的なサラリーマンには手が届かない領域までその価格は上昇を続けている。食品の価格上昇も酷く、レジで金額を聞くとつい籠の中の商品と金額を見比べて打ち間違いを疑ってしまうレベルである。

このように、令和日本ではせっせと円を現金で貯めこんでもそのパワーが日に日に削られていってしてしまうのである。では、今の時代に実家ガリガリ勢が取るべき蓄え方は何だろうか?

その答えが……

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