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承認シャワーを浴びるとぶっ壊れるってマジ?

人類総SNS時代において我々が気をつけなければならないことがある。それが”承認シャワー”である。

承認シャワーとはSNSで自分の投稿が注目を浴び、何千何万の人々からいいねが降り注いぐ事象のことを指す言葉である。

インターネットやSNSが登場する以前の世界では、この承認シャワーを浴びられるのは極々一部の芸能人やスポーツ選手、バンドマンなどに限られていた。インターネットのない時代は個人で情報を発信して有名になる方法がなく、そのため実力やコネを持つ特別な人々しか大多数の人々から承認シャワーを浴びることは不可能だったのだ。

しかしインターネットとスマートフォン、そしてSNSの登場が時代を変えた。今や素人が自分で自分をアピールして有名人になることが当たり前の時代だ。

承認シャワーは中々に強烈で、特別な才能に恵まれずに平々凡々とした人生を送ってきた多くの人々にとっては脳を溶かすほどの快感を与えてくれる。社会的動物である人間は三大欲求である『睡眠欲』『食欲』『性欲』に匹敵するもう一つの大きな欲求を持っている。それが『承認欲求』である。

人は誰しもが理解されたいという欲求を抱えて生きている。承認シャワーを浴びることで、日常生活では決して出会うことがないほどの沢山の人々から一斉に『君の気持ちすごくわかるよ』『素晴らしい意見だね』『よくぞ言ってくれた』といった承認と理解を受けることが出来てしまう。

承認シャワーを浴びることは決して悪い事ばかりではない。実生活で不安を抱えていたり、孤立感を感じている人はSNSで得られた沢山の承認によって救われることも大いにあるだろうしかし何事も過ぎたるは猶及ばざるが如しであり、承認シャワーを一度浴びてその快感に脳が焼かれてしまう人が一定数出てきてしまうのだ

リアルの生活に不満や不安を抱えている人ほどその傾向は強い。ひとたび承認シャワーの魔力に飲まれてしまった人は、辛い現実の生活から目を逸らすためにどんどんSNSに依存していくようになるそして最終的には実生活に支障をきたしたり、SNSでの事象に過度に一喜一憂してメンタルが不安定になるなどして壊れてしまうのである

平成では2ちゃんねるやmixiしかなかったが、令和になりツイッターやインスタグラム、フェイスブックにTiktok、Youtubeなどの登場でSNS文化が一気に花開き、それにより承認シャワー中毒は一気に我々にとって身近な問題となった。今や世界中で何者でもない者たちによるいいね争奪戦が勃発している

筆者は承認シャワー中毒となり壊れていく人たちの過程を20年のインターネット歴の中で沢山目にしてきた。承認シャワーを浴びて壊れてしまった人の末路はほぼ決まっており、皆が同じコースを辿る。

何らかの投稿がきっかけて承認シャワーを浴びてそれの虜になってしまった人は、二匹目のドジョウを狙って同じような内容の投稿を繰り返すようなる。そのうち周りに同じような思想を持ったフォロワーや信者が集まってくるようになり、彼らの賞賛や賛同の声に気を良くしてどんどん発言内容は過激に精鋭化していく。

このあたりでアンチが発生したり、身内の良心派から『言い過ぎじゃないか?』といった意見も出てくるが、身内で固まって承認シャワーを浴びせ合う環境に脳がとろけている本人の耳にはその声は届かない。そして気が付けばイキリが過ぎて発言がラインを超えてしまい運営にBANされたり、コミュ内での派閥争いや内ゲバを起こしてコミュを追放されたり、オフ会などでオイタをして晒されたり、そういった痛い目を見てネットから追い出されて行くのである。

彼らはそういった失敗を受けて一時的にはネット断ちをするものの、しばらくするとアルコール依存症やギャンブル依存症の患者と同じく、また承認シャワーを浴びたくなりネットに帰ってくる。しかし過去の失態をすでに知られているため以前のように相手をして貰えず、勢いを失った状態で細々とネットに居座り続けるようになる。SNSをよく観察すれば、そんな”昔はヤンチャしていたが今は色々あって大人しく沈んでいるアカウント”を沢山見つけることが出来るだろう。

バズりやすいネタはSNSによって違っている。例えばツイッターでは今は育児や親ガチャ、ブラック企業や格差社会、恋愛や結婚などのつぶやきに強い風が吹いている。このあたりのネタで何となくつぶやいたツイートが万バズすることはめずらしくない。今やいつ誰に承認シャワーが降り注ぐかわからない時代なのだ。

ただSNSを眺めていてこの承認シャワーを浴びてどんどんSNSに依存していくアカウントと、いくら承認シャワーを浴びてもあまり変わらないアカウントに分類することができる。承認シャワーに壊されやすい人と、壊れにくい人が存在するのである。その違いはもちろん性格による部分も大きいが、承認シャワーに弱い人と耐性のある人にはそれぞれ特徴がある。

最も大きな影響を与えているのがリアルの充実具合である。先ほども書いたとおり、現実社会で上手くやれていない人ほど承認シャワーにより強く依存する傾向がある。リアルが辛い人はせめてSNSの世界だけではい認められたい、と願ってしまう。社会から孤立している人は往々にして無尽蔵の時間を有していることが多く、それがSNS依存に拍車をかけてしまう

もちろんリアルである程度上手くやれていても承認シャワー中毒になってしまう人は存在するが、そういう人たちは今の自分の成功には満足しておらず、『自分はもっとやれるはず』という強い自意識とコンプレックスを抱えている。彼らは現実社会で得られなかった理想の自分や人気者のポジションをSNSの世界で手に入れようとするのである。この手のタイプが拗らせてしまうと、せっかく手にした家庭や仕事を二の次にSNSにのめり込むようになり家族を不幸にしてしまう最悪を結果を招いてしまう。ツイッターでもSNSでプチインフルエンサーとなり、その立場に気持ちよくなりすぎて後先考えずにオフパコに走り家庭を崩壊させてしまう人は後を絶たない

現実で比較的上手くいっており、家族や仕事に忙しくしている人は承認シャワー中毒にはなりずらい。何せ仕事家事育児とやる事が多くSNSに張り付いて承認シャワー待ちをしている時間がないのだ。承認シャワーを浴びたとしても日常生活の中で職場や家庭で承認されなれている人は、SNSで承認されてもそこまで舞い上がってSNSに固執することもない。

しかし彼らのような現実の世界で満たされている成功者は少ないのが実情だろう。SNSを楽しむほとんどの人々は何らかの不満やストレスを抱えて日々暮らしている。そんな我々のような凡人がSNSで承認シャワーを浴びても中毒にならずに済む対処法は何なのであろうか?ネットでつい勘違いして醜態を晒さないようにするために何が必要なのだろうか?

まず一番大切なのが……

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