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なぜ大阪は東京より住みやすいのか?

いま日本最強の都市が東京であることは疑いの余地はないだろう。

広大な関東平野には巨大なタワーマンションと全国から集結した大企業の本社ビルやオフィスが立ち並ぶ。

世界で最も成功した社会主義中央集権国家と揶揄されるように、政府の各省庁や国会、皇居、国の全ての重要機関が東京に集中している。。マスメディア、有名大学のキャンパス、エンタメ、サブカル、スポーツ施設、文化的側面から見ても東京に隙は無い。

そんな世界に誇る大都市東京にあふれる富と権力を求めて、日本中世界中から若者たちが集まってくる。高齢者だらけで、新しくできる建物は介護施設と整骨院、歯医者に病院しかない、パチンコ屋ですら潰れる絶望の地方都市をしり目に、若者が供給され続ける東京の街はエネルギーで満ち満ちている。

そんな東京に比べ、我らが大阪は経済的な面で大きく引き離されていることは認めざるを得ない。繊維や家電といった大阪の主力産業はグローバリゼーションによる大津波に飲み込まれ、三洋やパナソニック、京セラといった大企業の破綻や工場移転によって多くの人が職を失った。さらに東京に富を集中させる国策によって、パナソニックを始めとする多くの企業が本社機能を東京へ移転させてしまった。

東京にはメディア産業やIT産業といった"キラキラ"した仕事があふれている。国政の機能が集中していることから、国や自治体から受注できる美味しい仕事の数も多い。仕事の選択肢の多さや稼ぎの面で、大阪は東京に周回遅れにされているといっても過言ではない。しかし、そんな現状を把握してもなお筆者は言いたい。

大阪は東京より住みやすい。

なぜ経済面でおいていかれている大阪の方が住みやすいのだろうか?その理由は3つだ。

1つ目が『金を掛けずに暮らせること』だ。

東京の不動産価格の上昇は青天井であり、今やハイスペックエリートですらペアローンを組まなければ、ファミリー向け新築不動産マンションには手が届かない。ならばと隣接する神奈川千葉さいたまの物件に目を移しても、今や千葉県のマンションですら、東京に通える位置にある不動産には庶民には手が届かないレベルにまで高騰している。

それに比べ大阪の不動産はお手ごろだ。電車や車があれば20分以内に大阪の中心である梅田や難波、天王寺に出られる利便性の良いマンションが、旦那の単独ローンでも手が届く金額で販売されている。梅田近郊のタワーマンションなどの価格は急騰しているが、少し離れた区に目を移せばお手ごろなマンションが見つかるはずだ

独身であれば自転車で梅田に出られる場所にある1ルームに4万以下の家賃で済むことも可能だ。非常に利便性が良い割に価格も抑えめな地域が大阪市内には多い。

さらに大阪のお金のかからないところが食費が安く済むことだ。大阪には東京に比べて安くてうまい飯屋が多い。東京へ行くたびにGoogle マップで調べてそれなりに人気の店に行っても満足できないことが多い。手ごろな価格帯の外食の満足度でいえば、明らかに大阪のほうが東京よりも上なのだ。

さらに、東京はとにかく人が多いため、そういった大阪基準で言えば微妙なレベルのレストランや居酒屋ですら予約しないと入れなかったりする。我々庶民でも手が届く金額で、ふらっと立ち寄れる大衆向けの飯屋が大阪には豊富なのである。

ただし大阪はことラーメンに関しては不毛の土地なので、ラーメン好きは注意が必要である。大阪では麺を食べるならうどんとパスタがおすすめだ。大阪は実はイタリアンが美味しい。

また東京に比べれば駐車場代金も安いので、大阪市内に住みながら自家用車を持つことも可能である。子供がいる家庭は自家用車があるかないかで、QOLが大きく変化する。東京ではよほどの世帯年収がなければ敵わない、職場の近くの利便性の良いファミリー向けマンションに住み、自家用車を持つ夢の生活が、大阪では共働き世帯であれば十分可能なのである。

2つ目が『近場に遊べるところが多い』点だ。

大阪は第二の都市と呼ばれるだけあって、若者も楽しめるエンタメが豊富に存在する。USJやひらパー、万博記念公園、海遊館、天王寺動物園といった施設は若いカップルから子育て世帯まで楽しめる。

大阪市内に目を向ければ、ウメキタと呼ばれる梅田北部エリアの開発は著しく、商業施設を含む高層ビルや緑豊かな公園の建設が急ピッチで進められ、新駅も先日完成した。インバウンドに沸く難波では高島屋の前が歩行者専用広場に変貌し、大阪の目抜き通りである御堂筋も歩道を拡張する工事を急ピッチで進めている。ホームレスの青空カラオケが開催されていた天王寺公園周辺も、若者や子連れで賑わうてんしばエリアに生まれ変わった

そして大阪の良いところがこれらのエンタメエリアがコンパクトにまとまっているところだ。梅田駅、難波駅、天王寺駅の商業施設は駅前に集中しているため、徒歩でダラダラ移動する必要がないのである。さらに、梅田から難波、難波から天王寺までは自転車で20分もあれば移動できる。海遊館や万博記念公園など遠くの郊外にありそうな場所へも、市内住みで車があれば20~30分も走ればいくことができるのだ。

そして最後の3つ目、筆者が大阪から離れられない最も大きな理由、それが……

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