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駆け出しフリーランスのためのトラブル予防ライフハック【案件依頼が来たとき編】

駆け出しフリーランスの皆様……Twitterで、あるいは仲間内とのZOOM飲みで、こんな怖い体験談を聞いたことはありませんか?

TwitterのDMで案件を受けたら、途中でクライアントと音信不通になった……。

契約後に、契約内容をめぐって言い争いになった……。

実は、これらのトラブルはフリーランスにとっては割とありがちなもの。しかも、恐ろしいことに氷山の一角でしかないのです。

もっとも、こうしたトラブルに遭う確率を大幅に下げる方法はあります。

それが、今回紹介する「トラブル予防ライフハック」です。

実際の事例や法律の知識、さらに先輩フリーランスや専門家のアドバイスなどをもとに編み出した「生ける知恵」。

ここではその第1弾として、「案件の依頼が来たときにやるべきこと」を紹介します。

ちなみに今回もスタッフは、図解担当のはこしろさん(@white_cube_work)、そして、リサーチ担当・ぽな(@ponapona_levi)でお送りします。

相手の身元を確認する

このライフハックで対処できるトラブル:相手のトンズラ

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案件の依頼が来たときに、まっさきにやるべきこと。それは、相手の身元確認です。身元さえ分かっていれば、もし相手が報酬を踏み倒して逃げやがっても地の果てまで追いかけることができます(※)。特に、TwitterのDMなどで依頼を受けている方におすすめのライフハックです。

(1)個人クライアントの場合
個人クライアントの場合は、相手の実名、住所、電話番号を押さえましょう。もし未払いなどのトラブルがあったとき、相手の住所などがわかっていないと対応が難しくなります。
「ちょっとストレートには訊きづらいなあ…」という人は、「請求書や契約書を作るのに必要なので教えてください」って言ってみてください。それでも教えてくれないクライアントは、その時点で要注意人物です。(筆者なら、その時点でお取り引きをお断りします)

(2)法人クライアントの場合
法人クライアントの場合は、登記や法人番号を調べて法人が実在するかを確認します。さらに、会社の評判や事業内容などを調べるなどして、できる限り情報収集を。ちなみに、会社の所在地については、登記や会社のホームページで確認できます。

※内容証明を送りつけて相手にプレッシャーをかけたり、それでもダメなら弁護士さんを頼んで民事裁判を起こしたり…といった対応ができます。

年齢を確認する

このライフハックで対処できるトラブル:相手親の介入

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個人クライアントかつ、学生っぽい雰囲気の人の場合は念のため年齢を確認しておくと安心です。

民法上、未成年は原則として、1人で契約を結べません。親の同意が必要です(民法5条1項)。

お小遣いの範囲内であれば単独でも契約できるといった例外はあるにはあるのですが(民法5条3項等)、そもそも、これが問題になりうるシチュエーションというのは、既に保護者が出てきて「こんな契約認めないわ!は?金だとお?未成年から金取るのか、お前!!」と揉め事になっているケースじゃないでしょうか。

つまり、その時点で弁護士マターです。トホホ……

取引の金額にもよりますが、未成年と取引をする場合は細心の注意が必要です。「こんな契約聞いていないわ!取り消す!」と保護者に介入されるのを防ぐためにも、あらかじめ保護者の同意を得ておくべきと考えます(できれば一筆入れてもらいましょう)。

……え? 「もし相手が年齢詐称をしたり、親の同意書を偽造してきた場合は?」って?

大丈夫!その場合は民法21条があります。

「契約は完全に有効ですので、後から撤回はできません」と依頼主側に優しく教えてあげましょう。

嘘つきの未成年を守ってくれるほど、日本の民法は甘くありません。

案件の内容を確認する

このライフハックで対処できるトラブル:コンプライアンス違反&フリーランスとしての信用失墜

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案件の中には、違法性の疑われる内容のものが混じっていることがあります。具体的には、次のようなものです。

(1)案件そのものに違法性が認められるもの(eg.著作権侵害になりかねないイラストの依頼)

(2)違法なサービスに関わっているもの(eg.ソフト闇金に関する記事作成)

フリーランスとしての信用を守りたいのであれば、このような案件に絶対関わってはいけません。

案件の内容、クライアントのビジネス内容については必ずリサーチ・確認をしましょう。

もし危ない案件だと感じたら、契約を断って全力で逃げてください。

もっとも、いわゆる「違法」とされるサービスの中には、退職代行や給与ファクタリングなどのように一般市民には「違法かどうか」の判断が付きにくいものもあります。

そこで情報源として活用したいのが、弁護士の方のTwitterアカウントです。職業柄、彼ら/彼女らは「違法なビジネス」の匂いに敏感。ニュースになるよりも早く、違法性を指摘するケースも少なくありません。そのほか有益な情報が流れてくることも多いので、ぜひフォローしてみてくださいね。

なお、個人の独断と偏見になりますが、交渉でトラブルを解決・お金を回収する系のサービス(例外は弁護士、一部案件は司法書士もOK)、個人向けの貸金・融資系のサービスはヤバい案件が混ざる確率が高い気がします……。

ちなみに、実際に筆者が見聞した事例とその顛末はこちらから。

トラブル予防ライフハックはまだまだ続く

ここで紹介したトラブル予防ライフハックはほんの一部。皆様のリクエストがあればまだまだ続きます! サポートがあれば、もっと続きます!(←冗談です)

フリーランスは自衛が基本。みんなで情報を共有し、助け合って我が身を守らねば……そんな危機感から、このnoteを企画しました。

これを読んでいる皆様方も、自分なりにたどり着いたライフハックがあれば、ぜひスタッフに教えてくださいね。


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。 もしサポートをいただけました場合、関係者への謝礼や資料費に使わせていただければと思います。 これからも良記事を書けるように頑張りますので、引き続きよろしくお願いいたします。