広告代理店を辞めて豪ワーホリへ

私は2016年の11月にワーキングホリデーでオーストラリアにやってきた。他の誰かと同じように一年間のワーホリを終えて、清々しく帰国するはずだった。それなのに、2020年の現在もまだオーストラリアにいる。私が選択した一つの行動で、人生が180度変わってしまった。

私は元々、四年生の大学で心理学やコミュニケーションを勉強した後、地元の広告代理店に営業職として就職した。今はどうかわからないが、当時その会社は中々のブラック企業で、社長自らがうちはブラックだよと言ってしまうような会社だった。広告代理店希望で就活をし、想いがかなって憧れの企業で働けるのだから、入社後はただただ喰らいついて死ぬ気で働いた。朝から夜中まで働くのは当たり前で、仕事が終わらないので休日出勤する。その当時は、何かに取り憑かれたように働いていた気がする。辛いことや悔しいこともたくさんあったけど、その反面、こんなことで絶対負けたくないという私の頑固さと、加えて根性だけはある性格なので折れずにやっていた。気が付けば、色々なタイミングや運なんかも重なって、社内で一番の年間売上を獲得した。でもその先にあったのは、達成感でもなく、喜びでもなく、ただただ私は一体どうしたいんだろう、こんな生活を続けて何をしたいんだろうという行き場のない疑問だった。

仕事にも馴れ何にも不満はなかったけど、ただ一つ客の言うことを聞くのが、もうこれ以上ないくらい耐えられなくなっていた。広告代理店の仕事はお客様の要望を聞き、それに見合った広告プランを提示実施することだけど、そんなことはもうどうでも良かった。どの客の言うことも、本当にどうでも良かった。こんな気持ちで仕事を続けていても、自分の為にも、誰の為にもならないと思い、後先考えず、丸三年で退職した。

当時、社長には正直に辞めたい理由を伝えていた。もうやる気がないんです。毎日毎日イライラして仕方ないんです。それを聞いた社長は、ポムポムはアマゾンのジャングルにでも行ったらいいんじゃない?と言っていたのに、何を思ったのか私はオーストラリアに来てしまった。

何故、会社を辞めてワーホリに来たのかと聞かれれば、次にきちんと就職する前に一度海外に長期留学したかったからだ。ワーホリビザはだいたいの国が30歳までの年齢制限を設けているので、行くなら今仕事を辞めたこのタイミングだと思った。再就職してしまえば、そう簡単に辞めて海外留学なんてできない。また、私は幼少期より何故か外国人(英語を話す人)に強い憧れがあり、子供の頃は将来は外国人になりたいと言っていたくらいだ。日本人だって外国人から見れば外国人だと言うこと知らなかったので、そこは勘弁してほしい。

オーストラリアにしたのも英語圏に行きたいという理由以外には本当に何にもなかった。本音を言えばアメリカに留学したかったし(費用的に無理)、それじゃなければカナダに行きたかった。ただ私の行きたいタイミングとビザの兼ね合いで、手軽なオーストラリアにしただけだ。

さらに言えば、オーストラリアのブリスベンを選んだのも他の都市よりも値段が安かっただけで、特にこれと言った理由もなかった。でも今にして思えば、この一つ一つの特に意味がないと思っていた自分自身の行動の積み重ねで、今の私がある。神様にプログラミングされていたんじゃないかなと本当に時々思ってしまう。

そうして2016年の11月、26歳の時に、オーストラリアブリスベンにワーキングホリデーで入国した。

そこから現在の夫に出会うのは、7ヶ月先のことなる。
次回は夫との出会いについて書いてみようと思う。

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