読書日記44「あと少し、もう少し」-瀬尾まいこ

「君が夏を走らせる」の主人公の中学生時代がこの本で描かれていると知り、いつか読みたいと思っていた。「君が夏を走らせる」を読んだ時は、主人公の何にも夢中になれない様子と素直さがチグハグな印象を少し受けたが、中学時代を知り納得だった。

中学生駅伝をテーマにした物語で語り手は大会出場時の区間と同じ順番になっている。全員の視点で全員が語られるため、同じ出来事を2回以上語られる場合もある。それなのに飽きないしむしろより物語に引きつけられていく不思議な感覚だった。

この本を読んで、登場人物たちのように部活など将来に直接的に関わらないことに全力を注げた頃を懐かしく感じた。自分は最近昔のことをだいぶ思い出せなくなってきてしまい、特に中学生の頃は思い出せない。でも、部活を頑張っていた頃に感じていた他のことでは得られない達成感のようなもをぼんやりと思い出し、すっきりとした気持ちになることができた。

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