車窓が教えてくれたこと

電車の車窓から景色を眺めていると、人体の構造に見えてきた。家々は細胞に、道は血管に、川や道を歩く人々は血液に、街の中心である役所は心臓、罪を裁く裁判所は解毒作用のある肝臓に見えなくもない。

確かプラトン辺りの時代からだったか、人間は"小宇宙"(この小さい体の中に宇宙を持っているということ)であるという例えが定着したが、言い得て妙だと思う。レオナルド・ダ・ヴィンチも手記の中で人間と自然のアナロジーについて論じている。だから彼は自然の美しさと同時に人体の美しさに熱狂して、時間をかけて絵画を描くように当時禁忌とされていた人体解剖を何度も繰り返したのだろう。

何かの本で"小宇宙"を初めに知った時は「このオッサン何言ってんの(笑)」と軽くあしらっていたが、その意味を車窓が教えてくれた。

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