「大人の休日倶楽部」のこと

よく流れているJR東日本のCM「大人の休日倶楽部」。15秒というCMの短さを感じさせないほど、郷愁や理想郷を心に浮かばせるゆっくりとまったりとした描写。これはもう、製作陣の知恵に敬服するしかない。

描写だけではない。CMにはミルフィー・レッドマン楽団『アマポーラ AMAPOLA』という曲が起用されているらしい。わずか1分程度の曲にも関わらず、ベートーヴェン『田園』の嵐が過ぎ去った後の神への感謝にも似た清浄感がある。

またCMが上手いのは、起用した曲を活かし切っているところ。終盤にかけてどんどん音程が上がり、それに伴って感情も高まってくる。「あぁ、ここではないどこかへ行きたい、どこかにきっと理想郷があるはずだ」という感情。この理想郷は、日本人が根源的に持つ故郷のことのように思える。心の故郷。

どこまでも美しく、どこまでも日本人の心をゆらゆらと揺さぶる素敵なCMだと思う。

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