『幸福について』書評

ショウペンハウアーは『読書について』に続いて2冊目。

これは巷に溢れた自己啓発本とは一線を画する。少しでも曲解すれば無為に孤独な人生を送ることにもなり得る、ある意味危険な本かも知れない...。

僕なりの解釈で超簡単にまとめると、「バカは群れをなすことで人生の退屈を紛らわせる一方で、教養人は精神的享楽を享受することで孤独を愛し、より幸福な人生を送ることができる。」

教養人は有象無象の群れに交わるよりも、精神的享楽を享受する自分と最大限向き合うことのできる孤独な環境に意義を見いだす。言わば、教養人はバカよりも幸福を見い出せる環境を多く持っている。

身の回りや世間、そして自分を見つめ直すとこの主張には残念ながら納得させられる。「孤独」がネガティブな意味を持つ社会である続ける限りこれは真理だろう。

そして引用がとにかく秀逸!

教養を身に付けることの大切さを新たな視点から教えてくれた一冊。

幸福について―人生論 (新潮文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4102033017/ref=cm_sw_r_cp_api_i_MtMfEb306WYJK

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