同じ人生をやり直したいか?

同じ人生を繰り返したいか?

この問いに対し、今幸せの絶頂にいる人は「繰り返したい!」と答えるだろうし、どん底にいる人は「繰り返したくない…」と答えるだろう。僕は考えた末に、繰り返したいと答える。登校が憂鬱だった幼稚園時代、ヤンチャで先生にこっ酷く怒られた小学生時代、高校受験に落ちた中学時代、勉強に没頭した高校時代、ふらふらして何度も落とし穴に落ちた大学時代。これが示すように、たしかに僕の人生は2度と繰り返したくない苦悩の連続ではあった。

浅学だが、これはニーチェの「永劫回帰(同じ人生を無限に繰り返すこと)を肯定できるか」という問いに近い。つまり、苦悩が無限にあってもそれを受け入れられるかという問いである。ただ苦悩には必ず幸福が伴うことを考えれば、この問いは幸福も同様に無限であることを示している。例えば、ある人との甘い時間が無限に繰り返されるならば、別れた後の苦悩も無限である。勉強嫌いな子どもが受験勉強で苦悩しても、結果として志望校に合格すれば一転喜びに変わる。こういった苦悩一つ一つを受け入れていけば、それは幸福を受け入れることに繋がるし、ひいては生を肯定できるようになる。この状態であれば、一瞬一瞬の自分すべてをギュッと抱擁したくなる。

同じ人生を繰り返したいか、という問いは生の肯定の出来不出来を炙り出す。

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