見出し画像

プライドの裏に潜む寛容さ(フランス・アミアン)

アミアン編

フランス初上陸。着いた瞬間から今までの国とは決定的に違う点が3つあった。

①多種多様な人種が共生してる点
以前、ドイツは移民を多く受け入れていると言ったが、その比ではない。行き交う人々の肌の色が同じである方が珍しい。南仏にはかつてのアルジェリア戦争でアフリカからフランスに多く移民として流入した事実はあるが、北部のアミアンにも大きく影響しているとは。

②豊かなファッション性を持つ点
今まで見てきた国々は地味、というか個を強調する服装が少ないように感じていた。しかし、フランスに入った途端、色彩豊かな派手目な服装からスタイリッシュな服装まで多種多様な洗練されたファッションを目にするようになった。元々のフランスのファッション性に、移民の文化が加わって変容していったのか、とも思えた。

外国語を話せない
今まで通り英語で街の人々に声をかけるも、当然のように堂々とフランス語で返答される。日本人でさえも、外国人に対して日本語で話すのは気が引けるだろう。ここまで吹っ切れていると、こちらも清々しさすら感じる。自国に対するプライドが高いほど外国語を話せないという話は聞いたことがある。イタリアやスペインもその特徴が顕著らしい。確かに、多少のバイアスはあるだろうが、フランス人には総じて他の国民に比べてどこか余裕があるように感じる。
では外国語が苦手な日本人は自国に対するプライドがあるのだろうか…?

前振りが長くなったのでそろそろ本題へ。
アミアンは一般的にマイナーな場所に分類されるだろう。唯一の救いと言うべきか、世界遺産のアミアン大聖堂がある。ヨーロッパに来て聖堂比較が趣味になってしまったことと、やはり世界史で学習した事項として外すわけにはいかなかった。フランスの聖堂は複雑な装飾と中央のバラ窓が特徴的。またナポレオン戦争中に英仏間で交わされたアミアンの和約でも有名(?)

中に入るとこんな感じ。

正直、ゴシック建築最高峰のケルン大聖堂に並ぶ感動はない。素人目からすると、なんの変哲もない内部だった。んー期待外れ。特別な理由がない限り、時間をかけてアミアンを訪れる価値は低い気がする。

唯一、来て良かったと思えたこと

聖なるアミアン大聖堂の前でアフリカ系の人々が大音量でヒップホップを流していて楽しんでいた。普通なら雰囲気が台無しだと思うかも知れないが、多くのフランス人が彼らの流す音楽に合わせて踊り、楽しんでいた。
僕はその様子を「大聖堂=フランス国家、ヒップホップ=移民、音楽に合わせて踊る人々=フランス国民」の構図として捉え、それこそが国家の縮図なんだと思った。異なるものを排斥せずに受容し、融合させ、新たな価値を生む。そういう意味で面白い国だなと思わされるアミアン旅であった。

オススメ度★⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

もしよろしければサポートお願いします〜 (書籍購入代に充当させていただきます。)