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ゴーストレストランに面接へ行った話
久しぶりに社会復帰しようとパートを探したところ、ゴーストレストランの求人を見つけた。
まず求人募集の文言に、誤字・誤変換が5箇所あった。よっぽど忙しいのか外国の方かなと思いとりあえず応募。
ホームページはない。電話もない。あるのはインスタとウーバーイーツのページのみ。映え写真が並んでいる。
求人サイト経由でメッセージが来た。冒頭、「こんにちわ!」とある。こんにち「は」ではないのか?駐車場の有り無しを聞いたら、駐輪場のことを丁寧に教えてくれた。
面接に行く。うわー予想してたけどめっちゃ雑居ビルの中にあるーーー。予定時刻にベルを鳴らす。バイトさんと思しき気弱そうな方が出る。
私「すっすいません…面接に来ました」
バイトさん「えっ?!……確認しますねっ」パタン(扉を閉める
しばらく経ってバイトさん扉を開ける。
バイトさん「オーナーがまだ着いていないので15分ほど中でお待ちいただけますか💦」
私「はい分かりました」(…私の面接、忘れられてた?)
店(っていうか家)の中に通されると築40年は下らないマンション。40平米くらいだろうか。壁にメニューのレシピが貼られている。決して不衛生ではない。だが決して衛生的でもない。食品衛生責任者の看板はない。
スタッフさんが計量した米をラップで小分けにしている。盛り付けもてきぱきもこなしている。20代2人、仲は良さそう。「まだ2件しか依頼来てないよ」と小声で話す2人。そして何よりゆるそうな雰囲気で働く分にはいいなと思った。
15分後、オーナーが来た。物腰の柔らかい若い女性だったので安心した。
もし清原みたいに体格が大きくて、ピタTで、色黒で、歯が白く、ルブタンのクラッチを脇に挟んだ人が来たらどうしようと思っていたのでほっとした。志望動機など特に聞かれず、少し話をしたらその場で採用があっさり決まった。シフトや業務連絡はLINEでやり取りするらしく、LINEを交換した。オーナーさんのアイコンは実物より10kgは痩せて見える盛れた他撮りであった。
実はもう一件受ける予定のパートがあったので、その旨を正直に伝えて返事を保留にした。
結局別のパートに決まったので、意を決してオーナーさんに辞退のLINEをした。3日経つが既読にもならない。
全てがゴーストな社会体験だった。
ウーバーイーツとインスタだけで運営している飲食店が増えているのは知っていた。しかし食中毒が出た時の責任の所在はどこへ行くのだろう。マンションの一室で作られている料理、食材はどこから調達しているのだろう。知らない人が作り、知らない人が輸送する食事を口に入れるって、何か怖くないか?頭では合理的なビジネスでいーやーんと思っていたが、直接目で見ると結構な衝撃であった。
改めて食について考えた機会だった。そして決まったパートは別の種類の食の業界。勉強できることがワクワクする。
※写真は最高に美味しい実店舗のあるお弁当です
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