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パッシブ、ジャズベ、ニッケル弦、王道定番を味わうベース歴30年弱ベース講師。

■テキトーベースみち(10)


「つまんねーオッサンだな!」

「同じモンばっかとかクソだせぇ!」

「俺はぜってぇそうならねぇ!」

とか言ってた人間だったはずなのに、いや~、何なんすかね~?

気付いたらめっちゃ王道定番スタンダードにハマってる、それが好き、それが一番使える、それが楽しいっていう、ひどい有様になってしまいました。

「もうこのステンレス弦しか使わない!」

『いや~、普通のニッケル弦っていいな~♪』

「アルダーはかったるい!弾いてられない!」

『う~ん、粘り!コシ!奥行き!これ好き♪』

「ジャズベとか普通すぎてつまんない!」

『うひょ~、もうジャズベ1本でよくね♪』

こりゃ我ながら呆れます。

お前ふざけんなよと。


しかしま~実際問題、長く生き残ってる物にはやはり理由がある、それだけの良さを持ってる、実力、強さが存在する、実感せざるを得ません。

一過性だったり、安易な思い付きだったり、不自然な個性付けだったり、そういった物の薄さ、弱さ、使えなさ、現実ってやつはなかなか厳しいと思い知ってきました。

確かに、プレミアムなスペックにすればプレミアムなサウンドになるかもしれない、誰も真似できない領域に辿り着けるかもしれない、その実感もあります。

ただ、それが本当に好きな音なのか、使える音なのか、抜けるのか、混ざるのか、問われると答えに詰まってしまうのが今の本音。

雑草食っても生き残れるようなベースってめっちゃ強い、高級フルコース用意しないと機嫌が悪いってんじゃ溜息ばかりが出る、そんな心当たりってありませんか?

生命力のある音って何なのか?

弾いてて手応えがある楽器って何だろう?

飽きない、面白い、いつまでも噛めて味わえるベースが欲しくない?

さまざま考えていくと、やっぱり定番って強いな、王道って凄いな、スタンダードって良いんだな、自分の血肉になる身近さ、楽しさを味わっています。


そもそもの話、肉好き、ホルモン大好き、濃い~モツ煮とか自分でも作ってるような人間。

それが究極だの至高だのお上品なモン求めたって、そりゃ落ち着けるワケないよね~。

真っ白な歯を輝かせて清潔感に満ちてる?スーツ着込んでビシっと決めてる?高級車乗り回してる?そんなんもま~ったく無し。

そう考えると、その人の生き方、性格、気質、生活、そこを踏まえてより踏み込んで楽器選びをしてもいいんじゃないか、そんなベースに出会えるようにしていくのも面白いんじゃないか、興味深いテーマでもある気がします。

スーパー面倒臭がり、一本で済んじゃうベースが欲しい、ツマミ回さずそのまま納得できた方が良い、自分の手で完結できればそれが一番楽、そこを行くと自分の今の結果にも納得できる次第です。


じゃあ今は手抜きをするようになったのか?夢も希望もなく落ち着いたのか?ベースの音なんかどうでも良くなったのか?精も根も尽き果てたのか?

ま~、ぜんぜん違うよね。

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