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丸の内の屋上から

たとえばわたしがどうしようもなく悩んでいるとして、それを俯瞰して小説みたいだな、って思えたら、とっても楽になると思うの。

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丸の内のビルの屋上、ガラスの手すりにもたれた私は、あなたの言葉を思い出す。

「付き合ってることは秘密にしてほしい」

そう、これは秘密にしておかなくてはいけない恋。どんなにあなたと愛し合っていても、私がその二文字を名乗ることは許されない。

ライトアップされた駅舎を見て綺麗だとはしゃぐカップルから、何もなかったかのように目をそらす。あなたと私の未来に、こんな景色はないのよね。

赤煉瓦の向こう側には、無機質なビル群がそびえ立つ。天辺で点滅する赤い灯、止まったままのクレーン車、まばらに光る青白い蛍光灯。つい2週間前まで私は、あそこにいたのだ。手すりに肘をついて、深く、白い息を吐き出す。

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モデル:昨日、もしくは5年後のわたし

続きは多分書かない。いつか、幸せになってね。

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