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【今月の1冊】きみはだれかのどうでもいい人

きみはだれかのどうでもいい人
著者:伊藤朱里(2021.09)

第一章「キキララは二十歳まで」という題名に惹かれて購入を決めた。

県税事務所に務める女性、4人それぞれのの視点で描いた小説。
1章ずつ主人公が変わっていく感じ、同じ時間軸を別の人目線で読めるのが面白かった。

女性4人もいりゃあ誰かに共感出来るかなぁ~と思ってたんだけど
なんと誰にも共感できず終わってしまった。
なので正直、感想といった感想がない。
”毎月10日までに”と決めた以上、noteを開いてみたものの
なにも書くことが出来ないなぁと思いながら今キーボードを叩いている。

どれもそのはず、
私は公務員になったことも、キキララの持ち物を妹のせいにしたことも、出世街道まっしぐらのなか地方の事務所に異動させられた経験も、精神的にしんどくなって休職したことも、休憩室で井戸端会議したことも、子供を産んだ経験も、子供を産まず50年生きたこともなかった。
そんでもって、周りにそんな人がいる環境でもないので終始客観視。へぇこういう職場もあるのね、といった感じ。

話の抑揚があまりなく、あれがなんだったのか、あの人はどうなったのか、ちゃんとした結末はほとんど描かれていない。
伏線が回収されるわけもなく、すっきりもしない。むしろちょっともやもやが残る。
それが嫌にリアルで、よくある日常生活のように感じられた。

誰に薦めたいかって言われると、うーん。
女性作家が好きな方だったら良いんじゃないかと思う。含みを持たせた文章が好きならまさにぴったり。これは差別とか偏見とか批判とかではなく。

正直本の内容より、ブックカバーの大事さに気づいた1冊だった。



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