見出し画像

1リットルの調味料を買えるようになるまでの話

最近大きなサイズの調味料を買うようになりました。
「使い切れないから」とずっと500mlの醤油ばかり買っていましたが、自炊の回数が徐々に増えていくにつれ量と種類が増えていっています。

砂糖、塩、醤油、ケチャップ、油、コンソメ。
1年ほど前まで、我が家の調味料は上記のもののみでした。

レシピ通りにつくることはできるので、料理ができない、はず。ただ、ずっと馴染みがありませんでした。食材は買ってみても腐らせてしまいますし、食へのこだわりもほとんどありません。たまにお酢や白だしを買ってみるも、1度使ったきりでいつの間にか賞味期限が切れてしまう。もったいない、と思いながら流しに捨てるのも申し訳なくて、買うこともなくなりました。

そんなわたしが、なぜ自炊をやるようになったのか。

きっかけは山口祐加さんの「自分のために料理を作る」を読んだこと。
みりんや砂糖、酒の役割はなにか、料理とはなにか。わたしと同じように自分のために料理をすることが苦手な人々が、山口さんから「料理のいろは」を学びながらともに料理を作っていきます。本の中で作っていくメニューはあぁ、これなら作れるかもと感じるメニューばかり。思わず本を読んだその日に豚肉とみりん、料理酒を買い、しょうが焼きを作ってみました。

きちんとおいしいこと、難しくなかったこと、よくわからなかった調味料を使えたこと。
うま〜と食べながら、じわじわとうれしさが込み上げてきたことを、よく覚えています。

自炊は自分自身の面倒をみて、他人のように自分をもてなすことだと初めて知りました。

料理酒、みりん、オイスターソース、ごま油、白だし、マヨネーズ、コチュジャン、カレー粉。
世界にはたくさんの調味料があって、知らない味がたくさんあります。

友人の自宅に遊びにいったときに、彼女がオリーブオイルや料理酒を買い込むのをみてえらいな〜、と思うと同時に、たぶん自分で買うことはないだろうなと思いました。
それまでなくても事足りていましたし、何に使うかもわかっていなかったのです。けれど、役割を知り、料理の自由さを知ることで格段に自炊のハードルが下がりました。

〇〇料理ではなく、調理法や調味料の組み合わせを覚え、適当に切った野菜とタンパク質(肉や魚)を焼いたり、煮てみたり。しっくりこないな、と思ったら塩を足してみる。こうやったらどうなるかな、と試しながら料理をしています。

そうやって少しずつ料理のいろはが馴染んできました。
いつの間にか話せるようになった日本語のように、いつかしっくりきたらいい。

今日は何を食べようかな、と思えることがとても嬉しく、ありがたく思います。自分を生かすことに直結している行為を、前向きにやれている。これからも無理せず、ゆっくりといろはを覚えて行きたいと思います。

山口さんの本はこちら。

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

読んでいただきありがとうございます!いただいたサポートはnote記事購入にあてさせていただきます。