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自分はなにものかと考える43日間

いまなにやってるのー?とLINEがやってきた。大学のころの友人だ。なんて返そうかな、と思っているうちに二言目がヴーっと送られてくる。

「結婚しました!」

一瞬考えて、心のなかでおめでとうと思う。3年ほど前に一度結婚ラッシュがあって、再度ラッシュがきていた。めでたい、と思いつつ申し訳ないことになぜいまとも思う。人生で一番時間にゆとり(という名の空白)があるタイミングだから、時間がなくて返事遅くなっちゃった作戦は使えずに返事を書いていく。

「結婚おめでとう!」
「いま無職だよ〜笑」

笑でなんとかなれ〜〜〜と願いながらいったんLINEを閉じた。
無職と名乗るたびにおもしろくなるのは自分を哀れんでいるのか、ほんとうにおもしろがっているのか。ちょっとわからなくなるくらいにはこの空白時間は長く、そしてうるさい。

一応4年前にも1ヶ月ほど休職したことある。そのときは動くのも辛かったのだけど、今回は身体もこころも元気だからか、ずっと本を読んでるし思考も巡っている。ごはんもおいしい。けれど、だからこそ耳をすませてしまう。社会のまわる音だとか、だれかが生きて目の前の道路を歩いていく音だとか。そうするうちに、なにやってるんだけいまといつもの思考に戻る。

はじめの1ヶ月はわりと大人しく休んでいた。が、ひきこもれはできど何もしないは性に合わず、なんで休まなきゃなんだっけと我に返った。返ってみるとなんだか休んでいる意味もわからなくて、働かねば、自分でできる仕事あるだろうか、と職探しをはじめたのが2週間ほど前。探す前からうすうす気づいてはいたけど中途半端な経歴を歩んできたおかげで、どこか…!拾ってください…!となった。

肩書でひとは測れないと知りつつも、自分であるということ以外なにもないのはすこし困った。
経歴書に書いた看護師も事務も秘書業も、どれもしっくりこない。なにをされてきたんですか?と問われると話せはするけど、じゃあ何屋さんですかといわれると答えられないのだから職業はむずかしい。ひとですと名乗りたい、もはや。ひとのIwayaですと。知っとるわと返されそう。そのくらい名乗れるものが思いつかない。

もしかしたら無職ですとはっきりいえる肩書がすこし珍しく、すこし安心したのかもしれない。はっきりと自分の立場を表明できたようで。


宙ぶらりん生活はいちおう来週おわるはずだ。

あちらも合う合わないがあるだろうし、こちらにもある。続くかわからないけれど、在宅での事務仕事をさせてもらうことが決まった。ぽんこつだったらごめんなさいという不安と、未知の仕事へのわくわくと、ようやく進むのかという安堵感がすこし。

そのうち個人で仕事ができるようになりたいと思ってはいるけど、こんな実績も名乗れる肩書もなく無計画にやるものでもない、はず。やれるひとはたくさんいるだろうけど、私は急がないほうがよさそうだった。

いいなあ、私も仕事やめたいと返してきた友人に「1回やってみたほうがいいよ」とこたえる。無職は一度やったほうがいい、ほんとうに。

自分がなにものか、どっぷりと考える機会になった。

ただしくキャリアブレイクだったなと1ヶ月半を思い返しながら、つらつらと書いてみた。仕事、がんばります。

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