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日本人であれば知っておきたい○○

●「本音と建前」とは?

“本音と建前”は日本人特有の価値観です。ビジネスのシーンでは、本当の気持ちである“本音”を他人に隠して、“建前”を提示しながら、交渉や要求を進めていくこともしばしばあります。人間関係を円滑にするために必要とされているスキルでもあります。


まずは、本音と建前、それぞれの意味を理解しておきましょう。


「本音」の意味

“本音”とは、嘘偽りのない本当の気持ちのことです。「表向きの気持ち」という意味である“建前”の対義語として使われます。人間関係を重視する日本のビジネスの場面では、本音を隠して話が進むことが多いです。


例えば、取引先から引き受けるのが厳しいと思われる金額を提示されたとしても、その場で断らず、「持ち帰って検討します」と一度、相手の思いを受け取ります。嘘をついているわけではなく、相手の気持ちを切り捨てないことが重要視されているのです。


反対に、この場面で「その金額は無理です」とはっきり伝えることが、本音を伝えるということです。しかし、前述のような文化が浸透している日本では、本音が歓迎されないことがほとんど。他人の気持ちを重視する日本ならではの習慣です。


「建前」の意味

嘘のない本当の気持ちである“本音”の対義語であり、本心を隠して遠回しに気持ちを伝えていくことが“建前”です。“嘘”と混同されがちですが、他人を騙す意思があるのが嘘であり、建前は騙すという意味はない点に注意しましょう。


海外では、交渉などの要求を提示する場面でまわりくどいことはしません。はじめに具体的な条件をはっきりと伝え、お互いの妥協点を探っていくことが多いです。


反対に日本では、どうしてほしいのか・いくらで頼みたいのかなどの本音をオブラートに包み、建前で対話を進める傾向があります。本音をぶつけて闘うことを美徳としないことから生まれた、独特の価値観です。


●建前に潜む注意点とは?

本音より建前を使うことの多い日本のビジネスの場面。しかし、いつでも・どこでも建前ばかり使っていればいいというわけではありません。建前を使うことで起こるトラブルも少なからずあるからです。


ここからは、ビジネスで建前を使う際に気をつけるべき注意点についてお伝えします。


1. 建前ばかりでは仕事が進まないと意識する

まず、本音を隠した建前ばかりを伝えていては、なかなか前へ進みません。

のめない条件を提示されて「検討します」と伝え続けていても契約にはつながりませんし、「検討すると言ったのに嘘じゃないか」と、相手の機嫌を損ねてしまっては本末転倒。自分にとっても相手にとっても、無駄な時間を使うことになります。

人間関係を円滑にするためのツールとして建前を使うのは悪いことではありませんが、建前だけを使っていては意味がありません。建前を使い、よい関係性を構築するのは、あくまで本音を伝えやすくするための手段であることを念頭に置いておきましょう。


2. 場面によって本音と建前を使い分けるべし

場面や相手によって、本音と建前を使い分けることも重要です。

例えば、絶対に獲得したい取引先との交渉の際には、建前をうまく使って相手の本音を引き出すことに注力することが有効です。本当は何を求めているのかを探ることで、交渉をスムーズに進められます。

一方で、部下を注意する際には、言いたいことをオブラートに包んで遠回しに伝えても響きません。どこが悪いのか・どこを直したらいいのかといった指示をはっきりと伝えるほうが効果的です。


本音と建前どちらを使うのか、状況に応じて選びましょう。


3. 建前を見極める力も身につける必要がある

日本のビジネスの場面では、建前が多く飛び交います。相手も建前で話してくるということを忘れてはいけません。他人の発する建前を見極めるスキルが必要です。

会議などで出た発言がすべて本音とは限りません。発言をそのまま受け取るのではなく、裏側にはどのような本心が隠されているのか、本当のニーズはどこにあるのかを探っていきましょう。

●本音と建前を上手に使い分ける術

本音と建前は、相手の気持ちを害さないようにバランスよく使いましょう。建前をうまく使いながら相手との関係性を構築していき、本音を話せる間柄にしていくことが重要です。


建前は嘘ではありません。他人を陥れたり、騙したりするような言葉選びは厳禁です。あくまでも人間関係をプラスの方向に進めたり、他人を笑顔にしたりするために使う方法だということを忘れないようにしましょう。


例えば、お誘いを受けた時、行きたくない相手だからといって「あなたとは行きたくない」と伝えれば相手は傷つくもの。建前を使って「予定があるのでまた今度」などと、遠回しに本音が伝わるような言葉をかければ、関係性を壊さずに断ることができます。


 

日本における人付き合いは、相手を傷つけず、関係性を崩さないことが重要です。時に本音が見えずにヤキモキすることもあるかもしれませんが、関係を深めることで少しずつ本音を聞ける間柄になります。


相手の気持ちを優先し、本音と建前をうまく使い分けて、ビジネス上の人間関係を円滑に進めましょう。


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