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出産したら、上の子がとてもお兄さんだと感じるようになった不思議

下の子が産まれたら、上の子が急に大きなお兄さんやお姉さんのように感じる錯覚に名前をつけたい。

今年、次男が産まれた。長男にとっては4つ違いの弟だ。4歳にもなると食事やトイレなど自分のことはある程度できるようになるし、おしゃべりも上手だ。けれど、甘えん坊さんだし、まだまだ一人ではおぼつかない幼なさが残ると感じていた。

ところが、次男を産んで病院から帰ってきたら、長男をとても大きく大人びていると感じたのだ。15キロある長男を抱っこするのは、妊娠中それほど苦ではなかったのに、なんだかとても重く感じて気が進まない。つい数週間前まで「まだ4歳なんだから」と思っていたのに食事や入浴の介助が必要になると「もう4歳なんだから、お兄ちゃんなんだから一人でできるでしょ」と思ってしまう自分がいた。

3人姉弟の長女である私は「お姉ちゃんなんだから」と両親に言われるのが大嫌いだった。好んでお姉ちゃんになったのではないと思っていたし、両親に甘えたいのに「お姉ちゃんなんだから」と片付けられてしまうので、長いこと弟や妹にやきもちを焼いていた。

だから、親になったら上の子には自分のような寂しい思いはさせないように気をつけよう、甘えさせてあげようと思っていた。でも「もう4歳なんだから、お兄ちゃんなんだから」という言葉を何度飲み込んだかわからない。それほど長男が何でもできるお兄ちゃんに見えてしまう。不思議だ。

無意識のうちに次男を基準にして、長男を比べてしまっているのだろうか。それとも心にも時間にも余裕がないのか。どうであれ長男に対する感じ方が次男が加わる前に戻ることはもうないように思う。

それならば長男の気持ちが理解できるよう努力しないと。妹の髪を乾かすように自分の髪を母に乾かしてもらいたいくて、階段下で大泣きしたあの頃を思い出して、その時の寂しさや悔しさを息子の気持ちに重ねてみようと思う。彼の気持ちに少しでも寄り添えるように。

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