毎日連載『一日一妖!』 9月21日【平四郎虫】
初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
こんにちは、あらたまです。
『一日一妖!』とは――
怪異や怪談が大好きな私あらたまが、妖怪や怪異に関連する与太話をさせていただくという連載企画です。
毎日読むのにちょうどいい、約1000字の超ショート・ショートテキストサイズ!
さっくり楽チン軽やかな、ゾワッと怪しいひとときを楽しんでいただけたら嬉しいです。
昨日はお騒がせいたしまして、すみませんでした。
湿布を貼る位置を少々間違え「そりゃあ痛さも増すわ」となったのは寝違えで悶絶しだしてから半日以上経ってからでした。
きちんと貼るべきところに湿布を貼り、根本原因である背中のケアもして、今朝方から調子が上がってまいりまして、現在バッチバチにPCのキーボードを叩いております♪
昨日のお休み記事にコメントくださったヒョウガ商店さん、ムーンハイツさん、なにぬ猫さん、いきもの画家 POPPOさん、ありがとうございました。私、元気に帰ってまいりましたよ(´;ω;`)ウゥゥ
それでは、いつにも増してためにならない与太話――
本日の『一日一妖!』始めましょう。
【平四郎虫】
山梨県西八代郡六郷町でいう怪虫。
平四郎という者が冤罪で打ち首になり、その怨みで虫となったというもの。畑に現れて農作物を全滅させたという。
世界中には『○○に似た××』という触れ込みの動植物が多く存在します。
例えば――
・鷺が飛ぶ姿に似た、サギ草
・お猿の顔に似ている、モンキーオーキッド
虫ですと、お相撲さんの顔に似たカメムシで有名なジンメンカメムシなんてのがいます。
あと、某レクター博士大活躍の映画で有名になったドクロを背負った蛾……ポスター等で世界中に衝撃を与えたのはサルバドール・ダリの作品をコラージュした架空の蛾ですが、それとは別に、作中でクラリスを事件の真相へと導いたヨーロッパメンガタスズメは実在する虫です。その背に浮かぶドクロというか人の顔のような模様は、特段虫が嫌いだというわけでもない私も「ヒッ!」と叫んでしまった独特の雰囲気を醸しています。
今回取り上げた平四郎虫は、あくまでも『伝説』というカテゴリですので、実際どんな種類に分類される虫だったのか――甲虫?蝶?――特徴的なディテールを持ち合わせていたのか等々の情報の詳しいところは不明です。
が、一説にはカメムシのことではないだろうかとも言われているそうで、忌み嫌われた末に絶滅に追いやられたという仮説を安易に立てるのは気が早いのかもしれません。
実在した!?という触れ込みで、お土産物になった虫も居ます。全国的ブームで各地に「ゆかりの地」を誕生させ地域活性に一役買った『番町皿屋敷』にちなんだお菊虫がそれです。
あのお菊さんの怨念が虫になった!……という謂れがありますが、厳密に言えば虫ではなく蛹です。ジャコウアゲハという蝶々の蛹。
ジャコウアゲハは現在も、その季節が来れば自由に優雅に飛んでおり、むしろ「自らの怨念から解き放たれて、井戸の底から飛び出したのね。めでたし、めでたし」まで話を引っ張って頂きたかったなというのが正直なところですが、その昔ジャコウアゲハの大量発生を不気味に感じたという説もあります。いずれにせよ、平四郎虫と同様真相は歴史の闇の中、一体全体どうして蛹がクローズアップされお土産にされるに至ったのかは当時の人々のイマジネーションとユーモアセンスを推し量る以外には方法はありません。
珍しい動植物は、その時代ごとにブームを牽引し、延いては人の心に野心の火を灯します。お菊虫のように地域活性の夢を背負う生き物も居れば、昨今のペットブームのように邪な人々によって命を弄ばれる例もあります。
私は動物、殊モフモフ動物が好きですけれども、関わる時には適切な距離感を保って互いの領域に不躾に踏み入らないように気を付けています。
save the earth ――ここまで大上段に構える自信は私には有りません。ただ、ちょっとした心がけで、私達を類まれなユーモアで楽しませてくれる動植物たちを守ることはできるし、それが延いては妖怪や都市伝説を保護することにも繋がるのかなあなんて考えてしまうのです。
了
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それでは。
最後までお読みいただいて、感謝感激アメアラレ♪
また明日ね、バイバイ~(ΦωΦ)ノシシ
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