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編集者視点で考える『Clubhouse(クラブハウス)』とは

『Clubhouse(クラブハウス)』。
ネットに詳しい方も詳しくない方も、一度はこの名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。彗星のごとく現れ、連日ネットやテレビ、SNSを賑わせるクラブハウスとは。ポマーロの編集者たちが実際にクラブハウスを使ってみて、感じたメリットや今後の活用法など、編集者視点で考えてみました。


今さら聞けない!? そもそも『クラブハウス』って?

凄まじい勢いで利用者を増やしたクラブハウスは、ひと言でいうと“招待制の音声配信SNSアプリ”です。文字を使ったメッセージ機能は一切なく、リアルタイムの音声による会話でコミュニケーションをはかります。

クラブハウスは、アメリカのシリコンバレー発のベンチャー企業が開発したアプリで、まだ日本語版アプリが開発されていないため、英語表記のみ。また、Andoroid版がリリースされていないため、iPhoneやiPadのみの対応となっています。

アプリ上には、誰でもつくることができ、出入り自由な「ルーム(部屋)」が無数にあり、このルーム単位で、話を聴くことや手を挙げて会話に参加することができます。

クラブハウスの特徴をおさらい!

クラブハウスには、代表的な特徴があり、主なものは下記の5点が挙げられます。

①招待制である

現状クラブハウスを利用するには、すでにクラブハウスを利用している人から招待を受けなければなりません。

②実名登録が基本である

プロフィールは原則実名です。実名と電話番号を登録することで利用でき、名前は一度しか変更できません。実名とは別にニックネームをつけられ、ニックネームをつけるとそれがメイン表示されますが、こちらも一度しか変更はできません。

③録音禁止

アーカイブ機能がなく、規約上でも「スピーカー(話し手)」の許可なく録音することは禁止されています。

④双方向

音声配信ができる・聴けるのは当たり前ですが、クラブハウスの場合、スピーカーに指名されたり、挙手をしてスピーカーに承認されれば会話に参加することができるため、“双方向のラジオ”に近いとも言われています。

⑤ながら再生ができる

音声のみのやりとりのため、視覚を奪われることがありません。スマホで他のアプリを立ち上げながらも、クラブハウスの音声配信を聴けるので、気楽に“ながら聴き”ができる点も特徴です。


“編集者視点”でクラブハウスを考えてみる

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前置きが長くなってしまいましたが、ポマーロの編集者がクラブハウスを使ってみて、感じたメリットや今後の活用法などをご紹介できればと思います。
メリットは、つまるところ、コレにつきるのではないでしょうか。
・“ココでしか”得られない情報やつながり
クローズドな環境下における、会話からはみ出るココでしか聴けない話、ルームで交流した人とのココから始まるつながりは、まさにクラブハウスの魅力と言えます。憧れの著名人とひょっとしたら会話ができるかもしれないワクワク感は、ココでしか得られない体験なのです。

この、ココでしか得られない情報やつながりを、編集者としてどう活かすべきなのでしょうか。3つの例を考えてみました。

①クラブハウスを編集会議の場にする
編集者に限らずですが、企画やアイデアに困窮することは誰だってあるもの。そこで、クラブハウスを即興の企画会議の場にしてみるのはどうでしょうか。企画を募ったり、ブレストの場として活用すれば、思いもよらぬヒントやアイデアが生まれるかもしれません。メディア側の人間であれば、ユーザーが求めている企画や本音を聴く絶好の機会になるかも。また、リアルの場では実現不可能な、競合媒体と本音をぶつけあう場として使ってみても白熱して面白いかもしれません笑。

②クラブハウスを取材対象者との公開インタビューの場にする
取材対象者とのインタビューを、クラブハウス上で実施してみるのはどうでしょうか。実際に、これはすでに行われていて、様々な著名人がクラブハウスで取材を受けています。文字では読み取ることのできない熱量や生の声は、ココでしか聴けないもの。部分的にインタビューを公開することで、実際のインタビューページへの渇望感や楽しみが生まれるかもしれません。

③クラブハウスをオンラインイベントの場にする
アーカイブ機能がないことを逆手に、クラブハウス上でトークイベントやライブ配信してみるのはどうでしょうか。ルームには5000人という人数制限が設けられており、すでにプレミアムな場であることを印象付けられます。そして、顔を出さなくていい点が、出演する側にとっても出演のハードルを一段下げてくれるのではないでしょうか。


発信する側として気をつけたいこと

また、自分でルームをつくったり、スピーカー(話し手)側となる上で、運営面でのマナーや注意は、最低限必要です。

・時間制限がない分、目的に沿ったモデレーションが必要
・むやみやたらに「オーディエンス」から「スピーカー」に引き上げない
・規約違反に抵触する恐れのある発言はしない
・途中から入る人も多いため、会の目的などを所々で挟む


編集者にクラブハウスは“向いている”のか

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最後に、ご自身もいち早くクラブハウスを始め、TBSテレビの情報番組『あさチャン!』では、クラブハウスの有識者として出演した株式会社goodstory代表取締役・山田泰裕氏が、興味深い意見を話してくれたので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
「日本でのクラブハウスは、1月23日前後からスタートアップ企業やベンチャーキャピタルの社長が騒ぎ始め、一気に火が付きました。はじめはこうした人たちのビジネスサイドの裏話が多かったのですが、今はユーザーも増え、いい意味で一般化。しかし一般化してきた分、企画力・編集力のない人がつくるルームは、おもしろくない。だからこそ、編集者の方々がクラブハウスをやる価値があると考えています。なぜなら、編集者の方々は自分で企画を立てられるし、現象を切り取り、それをわかりやすいタイトルに乗せて伝える力があるから。さらに、聞き手を飽きさせない専門的な知識や情報量も多い。そこに、編集者の持つ人脈でゲストを招待すれば、自然とネットワークが広がり、その人の価値が伝わると思います」

それでもなかなか腰が重い編集者も多いはず。始めるコツはあるのでしょうか。
「ひとりで始めるのはめちゃくちゃハードルが高いので、はじめは仲間内3人で、テーマを決めて挑戦してみるのがオススメです。テーマはわかりやすく入りやすいタイトルであればあるほど、色々な人が絡んでくるはず。スピーカーとタイトルしか表示されないクラブハウスは、タイトルがとにかく重要。どんなタイトルがウケるかウケないかの、実験的要素もあります。また2人だと、どうしても会話に詰まったりするので3人というのがポイント。自分が話さなくても、他2人が話してくれますし笑。それに、オーディエンスが増えれば、自然と会話に参加したい人が出てきます。彼らをスピーカー側に引き上げれば、自分が話さなくても自然と成立するもの笑。気負う必要はないと思います」

マウントの取り合いやクラブハウス疲れなど、リリースから約1カ月が経ち、ネガティブな意見も噴出し始めたクラブハウス。しかし、山田さんはこんな話も付け加えてくれました。
「みんなめんどくさがってやらないから、今がチャンスだと思うんです。僕なんて、彼女にフラれた直後に、“フラれた傷を癒やすためだけのルーム”を作ったら、結果的にそのルームで知り合った方と仕事につながりました笑」
クラブハウスはあくまでSNSのひとつであり、無理せず自分のライフスタイルに合わせて活用することが大切です。とはいえ、編集者として新たな可能性を広げる絶好のいい機会なのかもしれません。気軽にチャレンジしてみることで、意外な結果がついてくるかもしれませんね。


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