好きな人がいるということ

わたしは、小学校にあがる前からKinKi Kidsのファンで、いまもなおファンを続けている。

途中まではKinKi Kidsだけのファンだったけれど、二十代半ばくらいから同じ事務所のグループやCDデビューをしていないジャニーズJr.も好きになり、いまでは贔屓しているグループあるものの事務所所属のタレントを幅広く応援している。

いわゆる「事務所担」に近い。


どの界隈にもあるとは思うが、その界隈にしか伝わらない専門用語みたいなものがある。もちろんジャニーズのファン内にも存在する。

上記の「事務所担」もそのひとつだ。

事務所はジャニーズ事務所を指し、

担は担当の略。ファンという意味を持っている。

つまり「事務所担」は大まかに言うと「ジャニーズ事務所に所属しているタレントを複数人数好きになりすぎてこう名乗るしかなくなったファン」というような意味になる。



わたしが好きな人の中に、2020年の1月にデビューしたSixTONES(ストーンズ)の松村北斗という子がいる(いまはグループみんなのことが好き)

松村北斗くんを好きになったばかりのとき、ツイッターでファンの人をフォローしまくった。好きになりたてのときって、全然その人のことがわからないから手っ取り早くどういう人なのかを知るためにわたしは好きになった人のプロフィールを読む前にまずツイッターでファンをフォローしまくっている。


ファンのツイッターをフォローしまくって、ひとり気になる人ができた。その人は自分の行ったコンサートのレポを書いてくれるのは勿論だけど、すごくすごくオシャレさんだった。顔の写真は載せないけど(おたくだし)、お気に入りのコーディネートとか、買って嬉しかったアクセサリーの写真を載せてくれる。わたしはいつしかそれを見るのも楽しみになっていた。


ジャニーズ用語で「担タレ」という言葉がある。

「ファンはタレントに似る」という意味で使われる。


その人はまさに「担タレ」という言葉が似合う人だった。現に、コンサートなどでSixTONESのファンは黒いコーディネートをして行くことが多いのだが、松村北斗くんのファンは松村北斗くんのように自分が好きなファッションをしてコンサート会場へ行っているという印象がある。みんなめちゃくちゃオシャレだ。松村北斗くんのファンだってすぐにわかる。


その人がつい最近、インスタを更新した。どうやらおうち時間を利用して、読書をしているそうだ。伊坂幸太郎さんの本を読んでいるらしく、それを知って「めちゃくちゃわかる〜〜〜〜!!!!!!!担タレだ〜〜〜〜!!!」と思わず叫びそうになってしまった。

何故なら、松村北斗くんがめちゃくちゃ伊坂幸太郎さんの本を読みそうだなと思ったからである。本当に読んでいるかはわからないけど。



ふと冷静になって、以前わたしにも似たようなことがあったなと思い出した。


友人と舞台のライブビューイングの帰りにカフェで話していたとき、ツイッターを見たら雑誌のインタビューかなんかでKing & Princeの岸優太くんが最近読書にハマっているという情報を目にした。

急いで調べてみたら最近読んだ本を書いてくれていて、友人と一緒に急いで本屋へ行き、岸優太さんが読んだ本を探して買ったことがある。

そのときも確か伊坂幸太郎さんの本だった。


わたしは帰り道、結構な長い時間電車に乗っていたので早速買った本を読みながら帰った。こ…この話を岸優太くんが読んだの…??とドキドキしながら読みすすめた。


あれから3年くらい経ったけれど、結局勢いに任せて買ってしまったので、読んだのは電車に乗っているときだけ。なんの本を買ったのかさえも思い出せない。つい先週、部屋の掃除をしたらその時の本が袋に入ったままでてきた。


わたしは結構勢いに任せて行動してしまう。だけどそれはわたしが好きな人が持っている(CMをしている)から買うとか、好きな人の広告があそこに出ているからそれを写真におさめに行くとかそういうときばかりだ。

なので、今年の目標は自分のセンスと合わないものは無理して買わない。ということを掲げている。

大抵こういう決め事も守れたことがないのだが、今のところ順調に判別できているのでこれからも頑張っていきたい。

だけど、好きな人が持っているからとか広告をしているからという理由で買ったり、好きな人がしていることを真似して実践してみたりする時間って実はとんでもなく楽しいし幸せな時間でもある。これは誰かのファンである特権だとおもう。

自分の意思と、憧れて衝動的になってしまうこと。このバランスをうまく保てるようにするのは今年だけでなく一生の目標になりそうだ。

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