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MISTROGUE開発秘話 その1|ゲーム開発を舐めてかかってたらえらい目に遭いました。

Polyscape公式noteが始まりました。代表の島田(@shimap_sampo)です。公式noteでは、Polyscapeが公開していくゲーム開発の裏側(企画段階でのエピソードなど)や開発ノウハウ(開発、マーケティング、失敗談、工夫など)や、将来的に創ろうと思っている世界について語っていこうと思います。

人がより自由に生きられるバーチャル世界を創造する。」というミッションで、人が暮らせるMMOゲームのようなメタバースを創り、より自由な生き方を実現しようとしている弊社(詳しくはこちら)ですが、その第一歩としてまずは面白いゲームコンテンツを作る!ということを目標に、第一弾のタイトル「MISTROGUE」の情報を8月に公開しました。

今回は、どうして自分がMISTROGUEを作ろうと思ったか、またどんな人たちがMISTROGUEを作っているのかということを知ってもらえたら嬉しいなと思い記事を書くことにしました。

まずは自分のゲーム遍歴を語らせてほしい

MISTROGUEの話をする前に、まず自分のゲーム遍歴を語らせてください。

自分が初めてゲームと出会ったのは小学生の頃ですが、当時はもっぱらPCのフリーゲームばっかりやってました。友達が外でサッカーに興じる中で、自分はファミ通のような雑誌についているCD-ROMや、窓の杜Vectorふりーむ!などのサイトから日々面白いゲームを見つけてはやる、という日々を過ごしていました。具体的なタイトルはマイナー過ぎて書いても伝わらないと思うので割愛しますが、小学生のうちに計100本に届くくらいはやっていたと思います(ごく稀に知っている人がいるのでひとつだけ書くと、ファーレントゥーガというゲームを一番やり込みました)。ちなみに周りの友達とは全く話が合いませんでした。

Nintendo64などのコンシューマゲームもやってましたが、それ以上に個人クリエイターたちの自由な発想のゲームに触れ、想像力が広がりました。また、当時のフリーゲームは今のインディーゲームほどクオリティが高くはなく、やっているとだんだんと自分でも作れるのでは?という感じがしてくるところがあります。当時はRPGツクール2000や2003がちょうど出たあたりだったので、親にねだって買ってもらって、小学5年生くらいからはひたすら一人でゲームを作ってました。

自分でRPGが作れるソフト。長く続いていて、DS版やSwitchでも出ています。
ちなみに自分は2003より2000が好きです。
(C) 2002 Gotcha Gotcha Games Inc.
(C) 2000 YOJI OJIMA

そして、もっと自由にゲームを作りたい!と思いプログラミングをはじめました。当時Unityのようなゲームエンジンは普及しておらず、Visual Basic 6.0 というIDE付きの言語を使って開発してました。
20本くらいお蔵入させた中で、ようやく1本だけ、ブリードキングというゲームを中学3年の時に(受験勉強の傍ら)リリースしました(一応今でも公開されてて遊べるみたいです)。

中学3年生の時に作った「ブリードキング」のタイトル画面

知らない人がやってくれてレビューで面白いと言ってくれたり、絶対見つからないと思って入れた隠し要素をすべて見つけてくれる人がいたり、いつの間にか攻略サイトができて全モンスターの情報が乗っていたり(残念ながらいまでは閉鎖してしまった)、これは自分にとってのゲームづくりの大きな原体験となりました。

大学生になってエンジニアリングの道を進み、AIや機械学習を勉強して、AI関連の会社LAPRASを立ち上げましたが、またゲームづくりの世界に戻ってきました。あれから15年経ちましたが、好きなことって案外変わらないものですね。

なぜMISTROGUEを作ろうと思ったか

Polyscapeのミッションを達成するにあたって、「10年以上続く本物のメタバースは、面白いゲームを核として発展する」という確信があったので、「面白いゲームコンテンツを作る」という命題がまずありました。そして、将来的にメタバースの開発に活きていくノウハウは貯めないといけないと思っていたので「2Dではなく3D」「カジュアルゲームではなく、RPGのように世界観や世界設定を伴うもの(いわば王道らしさがあるもの)」「うまく行けば今後も使い回せるIP性が強いもの」といった条件も加わってきました。

そして、さらに作るものを絞るにあたって、6人くらいの小さなチームでも実現性があり、最も自分が深く理解していて、中毒性がある類似タイトルは何かと考えました。自分にとって真っ先に思い浮かんだのが、風来のシレン2でした。小学生ではフリーゲームが主でしたが、中学生の頃は特にMMO(メイプルストーリー)と風来のシレン2をやり込んでいました。大学生で実家に帰ってきたときも押入れからNintendo64を出しておもむろにシレン2をやり出すくらい好きでした。自分の中では中毒性のあるゲームの代名詞が風来のシレンだったので、好きなゲームを作っていいよと言われたらシレンをベースにしたものになるなということは(10年くらい前から)感じていました。次の階にすすむか留まるかの駆け引き、毎回違うアイテムがドロップするワクワク感、頭をフル回転させる手強さ、装備を強化する楽しみ、面白さの要素が所狭しと詰まっています。

しかし、リサーチしているうちに、ターンベースドな戦略型正統派ローグライクはSteamではそこまで人気のないジャンルで、大きな市場がないということがわかってきました。風来のシレンやトルネコが海外ではそれほど人気が無いことも原因の一つのようです。でも、このジャンルが絶対おもしろいということは明らかなので、海外のユーザーや王道ローグライクをやったことが無い人にやってもらうにはどうしたらいいか?ということを考えた時にたどり着いたのが、Steamで人気ジャンルのハクスラ(Hack & Slash, 敵をバカバカ切り倒すもの)の要素を取り入れるというアイディアです。そこで参考にしたのがハクスラの代表格であるDiabloでした。それからDiablo3をやりこみ、Diabloの醍醐味の一つである「最強ビルドの探求」という要素をフィーチャーしてハクスラを取り込むという考えに至りました。

MISTROGUEは、シレンやトルネコはもちろん、GrimDawnやDiablo, HADES, Vampire Survivorsなどの作品が好きな人には楽しめるものになると思います。戦闘には既存のハクスラの爽快感や面白さを残しながらも、リソース管理や持ち物の取捨選択、装備の組み合わせやレアドロップアイテムの模索など、シレンっぽいというか、ただのハクスラよりも頭をひねる要素が感じられると思います。

ゲーム開発、正直ナメてました・・。

しかし、このように面白いものと面白いものをとりあえずかけ合わせたらうまくいく!と思いがち(実際自分もそんな風にを思ってなかったといえば嘘になる)ですが、そう簡単に行かないのがゲーム開発です。上で説明した2つのコンセプトは実は共存は難しく、これはともすればどっちつかずになってしまうコンセプトです。そういったことに、実際に作って触って見てから気が付きました。ゲーム開発あるあるですが、実際に組み上げて触ってみると「あれ、なんか面白くない・・」ということがここでも起こりました。

シレンのような戦闘システムのそのままそれをリアルタイムにしただけではうまく行かないのです。ターン制では1対1の殴り合いでも、「次の一撃で倒せなければ死ぬ!」という緊迫感、戦っている途中に後ろから敵がやってきたり、渾身の一撃をミスしたりなどと予想外のことが起きたりして面白いですが、これをそのままアクションにするとただの駆け引きの無い殴り合いになります。

MISTROGUE 戦闘画面(開発中)

さらに、「ローグライク」×「ビルドの探求」は 古いコンセプトの組み合わせに過ぎないので、星の数ほどあるインディーゲームの海の中で、このコンセプトだけではまだまだコアファン以外の層に対して差別化できないという課題感も感じられました。これも実際にリリースをしてみて思い知ったことです。8月にSteamページティザームービーをリリースしましたが、DiabloやGrimDawnをやり込んだコアなユーザーの注目は集められ比較的高いウィッシュリスト登録率を達成できたものの、当初目標にしていたほどの注目を集められたわけではありませんでした

私はもともとLAPRASというエンジニア採用WEBサービスを作っていた身だったので、「ゲーム開発もWEBプロダクト開発も根っこの部分は基本は一緒でしょ〜」とちょっとナメてかかっていた部分は正直ありました。今は実際はかなり違うなということ思い知らされています(でも、根っこが近いというのは完全に間違いではない)。しかし、Polyscapeの強みは「仮説検証のサイクルが極端に短いこと」、いわば超アジャイルな開発体制です。これはLAPRASをはじめWEBプロダクトの開発で培われた知見であり習慣です。

8月にティザームービーをリリースしましたが、実はまだ全然出来上がっておらず(主人公のキャラクターモデルすら実は仮)、キービジュアルもなんにもなく、主要チームメンバーもこれから入社という段階でした。それでも公開していち早くユーザーの声を聞き、自分の期待する「手応え」を感じられるか調べる(感じられなければ何かを変える)ーこれが最重要だと考え、スピードを重視して公開しました。

ムービーや記事にも出ているこの黒服の主人公は実は全くの仮モノで、
本当の主人公デザインはこれから公開予定。

不完全な状態で公開していくという姿勢は、最終成果物がユーザーの皆様の最初に期待したイメージと変わってしまうというリスクはありますが、最終的に良いものをユーザーの皆様に提供できる最良の方法だと信じているので、これからもそうやっていくと思います。

結果として、既存のコンセプトの弱点を発見できました。また、9月から身内限定で「とりあえず動く」ものを触ってもらう"プレアルファテスト"を開始していますが、そこでも前述のアクション性をはじめ、様々な問題点(かっこよく言うと”課題”、かっこ悪く言うと"設計ミス")が山のように見つかっています。

実際、先程挙げたコンセプトやゲーム性の問題も今は解決の糸口が見えていて、現9月末時点でも8月に公開したときからは変貌を遂げています。でも、確実に良い方向に変わっているという実感はあります。これからそういった新しい情報を2023年春の発売に向けて公開していきます(年内には情報を出せるように動いています)のでお楽しみに。

でもゲーム開発は楽しい

いろいろと不勉強さを思い知らされたり予想外の課題に悩まされたりしていますが、それ以上にゲーム開発は楽しいという実感があります。WEBプロダクトと比べるとサウンドやグラフィックやエフェクトなど、純クリエイティブな要素が大きく、開発面でもちょっとしたものでも進捗が文字通り目に見えるので、ずっとWEBプロダクトを作っていた身としては結構な新鮮さがあります。とはいっても売れてなんぼの世界なので、まずは結果が出せるように努力していきます。

今年2月にPolyscapeという会社を始めて、ゲーム業界に飛び込みましたが、いろいろな発見(学び・違和感両方)がありました。これからはこのnoteを通じてゲームプレーヤー・開発者両方に向けてそういったものも発信していこうと思います。また、少人数でゲーム開発をしている会社やチームとも情報交換会やちょっとした交流会などもやっていこうと思っているので、興味があるクリエイターの方々はご連絡ください。

それでは引き続きMISTROGUE、Polyscapeをよろしくお願いします!次の情報発信もお楽しみに!


MISTROGUEはnoteクリエイターサポートプログラムに応募中です。

MISTROGUEはnoteクリエイターサポートプログラムに応募しています。以下の内容で応募中です。

  • 支援してほしい活動の時期や期限:2022年10月〜2023年春の発売前後まで

  • 支援を希望する内容:イベントの開催支援・開催場所の提供や、MISTROGUEプロモーションにつながる活動告知サポートなど(支援希望金額は0円)

  • プロフィール・ポートフォリオ:MISTROGUE Steam Store, Polyscape 公式Webサイト, 代表Twitterアカウント

  • 支援を希望する動機:人が自由に生きられるメタバース型MMOの足がかりとなる第一のタイトルMISTROGUEを成功させたく、タイトルをより多くの人に知ってもらうため、マーケティング・プロモーション面での支援を希望します。また、イベント開催支援などをしていただけたら、インディーゲーム関連のイベントなど、業界のプラスになるようなイベントも開催したいなと思っています!

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