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7月1週【デジタル】 ガバメントクラウドの先行事業の中間報告が発表され、分析が進む

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 2023年7月1週の「デジタル」に関するトピックをご覧ください!


ガバメントクラウドの先行事業の中間報告が発表され、分析が進む

<概要>

 ガバメントクラウドとは、政府・自治体共通のクラウドサービスの環境のことです。同一のシステムを使うことで、サーバーやアプリなどの費用を削減することができます。データ移行が容易になることによる他自治体・事業者との連携の効率化、住民サービス開発の簡略化等のメリットがあります。2018年、政府で「デジタル・ガバメント実行計画」を閣議決定してから強力に推進している政策の1つです。
 デジタル庁では、2021年6月から、ガバメントクラウド内の「基幹業務システム」「セキュリティシステム」の2つのシステムにおいて、先行事業を開始しました。複数の自治体で検証を行っています。7月7日、「ガバメントクラウド先行事業(基幹業務システム)」についての中間報告が掲載されました。

<これまでの課題>

  • 各自治体ごとに独自のシステムを利用しており、自治体間の情報連携や住民サービス開始に対して、予算・時間・労力等の高いコストが発生している。

  • 各自治体の背景や環境が異なるため、デジタル庁も移行のための共通の手順書を作ることが困難で、様々なモデルケースを想定した複数の自治体での検証が求められている。

<これまでの取組>

  • 2018年、「デジタル・ガバメント実行計画」により、全国の自治体・省庁のシステムを統一、標準化を進めることが政府で発表。その後の改訂、また「デジタル・ガバメント実現のためのグランドデザイン」等を公開し、デジタルガバメントのあり方や方向性、2025年度末までに運用開始という方針が決まる。

  • 2021年9月「デジタル庁」が国・地方行政のデジタル化等を目的に創設。本計画の司令塔として、取組を推進。

  • 2021年6月から、「基幹業務システム」と「セキュリティシステム」の2つの先行事業の募集が開始。現在も複数の自治体(グループ)で、ガバメントクラウド移行の検証が行われている。

<これからの課題>

  • 規模の小さな自治体ほど通信環境整備のランニングコスト増加が目立つ結果となっており、今後は複数の自治体が連携して、回線の共用化や移行の同時実施することで、コストの抑制が必要となる。

  • 独自のシステムからの移行のため、他の自治体では当てはまらない想定外のリスクが発生する可能性がある。

  • 自治体CIO(情報化統括責任者)の知識不足、また業務を担当している部署も多くが委託事業者に任せているため、移行・運用時にITガバナンスが機能するか。

(参考)
・「デジタルガバメント実行計画」
・内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室「地方自治体による ガバメントクラウドの活用(先行事業)について」
・デジタル庁「ガバメントクラウド先行事業(市町村の基幹業務システム等)の中間報告を掲載しました」


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