7月3週【デジタル】 国土強靭化推進会議第1回が開催、防災DXの推進が焦点に
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2023年7月3週の「デジタル」に関するトピックをご覧ください!
国土強靭化推進会議第1回が開催、防災DXの推進が焦点に。
<概要>
7月20日、「国土強靭化推進本部」の下部組織である、閣僚と有識者で構成される「国土強靭化推進会議」の会合が初開催されました。会合では、2023年5月から約1ヶ月間、パブリックコメント(意見募集)の受付をしていた「国土強靱化基本計画」と「国土強靱化年次計画2023」の内容について審議が行われました。
コメントでは、デジタルツインを利用したシミュレーションやアプリを使っての安否確認サービスについての声も寄せられ、素案から修正が加えられた内容について議論が進められました。
「国土強靭化」の考えは2011年の東日本大震災を受けて、今後発生する可能性があると考えられる「南海トラフ巨大地震」や「首都直下地震」などの大規模災害に対して、事前の備えを進め、防災などの考えを持って、被害を最小限に抑える取り組みです。
「骨太の方針」でも、この防災・減災、国土強靭化は大きく取り上げられており、取り組みの中心となっているのが、DX(デジタル・トランスフォーメーション)です。防災気象情報等の高度化や消防防災分野のDX、防災デジタルプラットフォームの構築、住民支援のためのアプリ開発促進等の防災DX、防災科学技術の推進による「デジタル等新技術の活用による国土強靱化施策の高度化」など、デジタルツールを活かしていく方針を打ち出しており、基本計画や年次計画で具体的に取り組んでいく予定です。
この審議結果を踏まえて、7月末に閣議決定され発表される予定となっています。
<これまでの課題>
2011年3月11日に発生した東日本大震災の大規模津波による被害や都市部の帰宅困難者の発生など、建物やインフラなどの物理的な設備での防災対策では限界があり、防災教育など意識を高める取り組みが必要。
気候変動によって気温が2℃上昇した場合、降雨量が約1.1倍、洪水発生頻度が約2倍になると予測されているなど、更なる事前防災対策の強化が迫られる。
近年の自然災害において、被災地に必要な物資が行き渡らないなど、適切な支援を迅速化・効率化するための情報管理システムの移行(DX化)が不十分である。
<これまでの取組>
2013年、東日本大震災の教訓を踏まえ、大規模災害・事故から国民の生命や財産を守る国づくりを進めるための基本法「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法」が成立。
2014年、「国土強靱化推進本部」を設置し、約5年ごとの指針となる「国土強靱化基本計画」を策定。約5年後の2018年に「国土強靱化基本計画の見直し」が行われる。
2018年、相次ぐインフラ機能の支障により、政府は「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を決定。続けて、2021年に「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を決定。
2023年6月、国土強靱化を継続的・安定的に推進するため、「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法の一部を改正する法律案」が成立。
<これからの課題>
少子高齢化の進展が進む中、限られた人員で、災害発生時に必要な対応ができる地域社会をつくることが求められている。
防災デジタルプラットフォームの構築や住民支援のためのアプリ開発を実施後、地域住民が使えるスキルを備えていること、または使える環境にする取り組みについても考える必要がある。
高度経済成長期に建設をした老朽化するであろうインフラ施設の予防保全等適切な維持管理の財政確保ができるか。
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