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超伝導はエネルギー革命を起こす

⚫️超伝導は革命的な現象

電気抵抗がゼロになるという革命的な現象である超伝導は医療、輸送、エレクトロニクスなど、様々な分野を飛躍的に向上させ、私達の生活に欠かせないものになりつつある。
しかし、超伝導は数々の天才科学者が解明を試みるが、100年以上経った今でも解決されていない。
そんな私も超伝導の限りない可能性に引かれ、大学院時代、超伝導を研究していた。
今回はそんな超伝導の話をご紹介したい。

⚫️超伝導とは

冒頭でも述べたように、超伝導とは、電気抵抗がゼロになるという現象である。
何が嬉しいのか。
それは特にエネルギーと密接に関係する。
普段、皆さんも電気を使用していると思いますが、電気を届けるには、何kmという長い距離の電線を通らなければならない。

そのため、電気を輸送している間に電線の電気抵抗により、電線が発熱し、電気が消費されてしまう。
日本には4000km以上の電線があるわけだが、それを超伝導ケーブルに置き換わると、年間31億kW、費用としては1000億円もの電気代の節約になるわけだ

⚫️なぜ超伝導は実用化されない?

ところが超伝導には一つ難点がある
超伝導という現象は極低温のみでしか現れないため、最低限、液体窒素などの冷媒(約-196℃)につける必要がある。
当然、冷やし続ける必要があるため、冷媒(液体窒素など)のコスト、保温設備、さらに冷媒は蒸発しやすいため、量は膨大である。
このことから、中々、導入に至らず、使われているところは、医療、輸送、エレクトロニクスなどの限られた領域のみとなっている。
近年だと、リニア新幹線や、電線への超伝導利用が試験的に始まり、超伝導が身近に近づきつつあるが、まだまだ超伝導の本来の力を十分に生かしきれてはない。

⚫️最後に

超伝導の革命的現象に対して、述べてきたが、この現象が室温で起きる物質が発見されたら、世界中の電線がこのケーブルに置き換わることは間違いない。
また、それを発見した科学者は間違いなくノーベル賞である。
現在だと、-140℃程度(大気圧下、圧力下だともっと高温の物質もある)で超伝導になる物質は見つかっているが、まだまだ道のりは険しい。
今後も、超伝導が最終的に電線に応用されることを祈っている。

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