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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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#社会人学生

大学院ゼミに関わっていくという事

先週末、後輩の修士課程の修了式に参加させてもらった。修了生が、わざわざなんで、というお邪魔虫な感じがしないでもないが、修了生の一人に誘ってもらい、謙虚さの表明から断るのも無粋だと思った。 社会人向け大学院、入学年度が違うだけで人生の先輩も多い、もはや先輩、後輩という考え方もどうかと思う。話はそれるけど、外資系企業の海外の影響が強い会社は年齢をあまり意識しない。年下が上司になることもあるし、上司だった人が部下になることもある。タイミングの違いでロールが変わり、年齢によって態度

岡山芸術交流2019 もし蛇が

一足先にK先輩が岡山芸術交流に来ていた。 そして、是非とも見るべきと指令がきた。 十一月中旬に日程を組んで、初めての岡山、改札を潜ると横断幕。そして岡山大学で細胞学会が開催される日程だったらしく、岡山駅は人混みでごった返していた。カオスである。朝早く到着したこともあり、駅前の案内所がオープンしていなかった。あいトリの時も朝早かったためにウロウロしてしまったが、なんてことない案内場は9時に開場、展示会のチケットとあらかたの説明(展示を見るべき順序、移動方法(路面電車が便利)

リヒターの衝撃

やはり、ゲルハルト・リヒターは凄かった。衝撃にしばらく身動きできなかった。 カミーユ・アンロの流れから恵比寿にやってきた。K先輩が見たというゲルハルト・リヒターを見たかった。東京都写真美術館で開催している『イメージの洞窟』を見るのが目的。といっても、美術館に到着するまで、ゲルハルト・リヒターの作品が、どの展覧会に展示されているのかを知らなかった...。 現代アート、写真こそ気になるところ。どうやったら写真がアートになるのか、しかも現代アートになるのか。写真というと夏にロバ

カミーユ・アンロ 蛇を踏む

ゼミで話題になっていたカミーユ・アンロ展。 神楽坂のアンスティチュ・フランセ東京、旧日仏学園でカミーユ・アンロ本人とキュレーターの対談を通じて、展覧会の魅力を伝えるというもの。日仏学園としては、フランスの魅力を発信するということだろうか。 この日は東京オペラシティギャラリーでも本人を交えた作品解説があった。その時は英語で話していたらしいけれども、このセミナー会場ではフランス語で話をしていた。 セミナーで話をしていたのは、展示に関する説明。日本で展示をするにあたって、オリ

研究の方向性 その1

大学院入学前、デザイン思考に関する問題意識を持っていた。アート思考という言葉もできはじめていた。2000年代はロジカル思考が全盛だったよな、なんて思う。 VUCAの時代、先の見通しがつかない中で、世界が溺れているような、そんな印象がある。かなり大きなパラダイムシフトに直面している。そうした社会に対して何がどうなっているのか、問いを投げかける役割、そこにアートの可能性があるのではないか、そう思ったのが現代アートを学ぼうと思った理由のひとつ。 入学と同じくらいの時期に始まった

土砂降りの中、バスキアを

塩田千春展と連チャンしようと思っていたのだけど諦めた。ゼミでも話題になっていたし、日を改めて鑑賞にきた。土砂降りの六本木...。 前回の塩田千春展の note にも書いたのだけど、展覧会に参加する際に無手で行く。バスキア展では失敗だった。アートのお値段に少し登場していたけれど、夭逝したこと、思い悩んでいたこと、ストリート出身くらいの認識だった。もう少し、背景とか、きちんと予習しておけばよかった。 ニューヨーク出身の英会話講師、彼はバスキアのファンであり、英会話レッスンを始

キース・ヘリングと大山エンリコイサム

グラフィティ、ストリートアートを研究対象にしている大学院のゼミ友達がある。その経過発表でグラフィティのいろいろな用語を学んだ。 夏休みに滞在した小渕沢、中村キース・ヘリング美術館で開催中のキース・ヘリングと大山エンリコイサムの展覧会を見に行った。友達の研究テーマではあるけれど、何か見つけられるかもしれない。キース・ヘリングと大山エンリコイサムの接続性があるとしての企画。キース・ヘリングの作品50点と大山エンリコイサムの作品15点が展示されている。 撮影禁止エリアに展示され

異化効果

K先輩からの指令、神戸でグレゴール・シュナイダーを見よ! 大阪での用事があったので、その日程を延長し、足を延ばして神戸まで。仕事では三宮までは行くけれど、JR神戸駅って、なかなか行かない。 アート・プロジェクトKOBE 2019 : TRANS- は、他の芸術祭と違い、アーティストは二人だけ、グレゴール・シュナイダーとやなぎみわ。後者は、パフォーマンスだけであり、今回の訪問ではグレゴール・シュナイダーの展示のみを見る。 迷いつつも、JR神戸駅前に設置されたアートプロジェ

ちょっとだけのつもりが

現代アートを学ぼうと思ったきっかけは、MFAホルダーになりたいと考えたから。なにしろ、外資系企業だとMBAホルダーがゴロゴロ、ヨーロッパでは、ドクターもゴロゴロいる。 同僚が冗談で、ヨーロッパでは「ドクターいくつ持ってる?」という質問が飛び交っていると話をしていた。その同僚から聞いたのだけど、ヨーロッパの博士課程の学費は、日本に比べて安いということらしい。 さて、本筋に戻る。社会人大学院に行ってみよう、どうせならMFAがいいんじゃないだろうか。そうしてアートスクールに入学

レジリエンスについて

あいちトリエンナーレの帰り道、思索のスパイラルに入っていた。 鹿沼の事故をテーマとしたインスタレーション。それが、僕にとても影響を与えた。ショックを受けたというか、その事故を思い出したというか、自身に投映したというか。思考がグルグル回る。 最後に見るべき展示じゃなかったな。クライマックス効果として捉えてしまい、帰り道ずっとリフレインしていた。恐らく、この作品を最初に見てから他の作品を見ていたら、また違った感想、印象を持ったものと思う。朝から一日かけて、7会場の展示を見て回