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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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2021年1月の記事一覧

『生きている東京展』@ワタリウム美術館 鑑賞メモ

年末にワタリウムを訪問していたが、藝大のPUBLIC DEVICEが見たかったために『生きている東京展』には寄らなかった。ゼミの同級生から話を聞いていたこともあり、見ておこうと思った。 SIDE COREの作品。人が居なくなった渋谷で、モノが勝手に動く様子を撮影した映像作品、ディスプレイ・パネルは3枚あるが、時間差で同じ作品を流しているみたい。渋谷のスクランブル交差点を中に明かりの入ったパイロンが横断したり、ゴミとして出されていたダンボールが勝手に動いたり。 ポルターガイ

『PUBLIC DEVICE』@東京藝大 鑑賞メモ

年末のとあるアートな一日。 渋谷のOILで陶器市を見てDIEGOの小作品を買い、GYRE で名和晃平を見てからMAKIの展覧会を見る。MAKIで展示されていた絵画は西海岸を思わせるが、なんだか暗いイメージ、ファーガス・マカフリーでマシュー・バーニー、キャロリー・シュニーマン、白髪一雄、田中泯の作品を見る。田中の作品はブラウン管テレビ(今の時代によく見つけてきたと思う)で上映されており、あの解像度の低い独特の雰囲気が彼のパフォーマンスを不思議なものにしていた。15分くらいの映

大山エンリコイサム『夜行雲』@神奈川県民ホール 鑑賞メモ

緊急事態宣言が発出される前に見ておこうと思い、神奈川県民ホールに出かけた。ゼミの同級生から聞いた大山エンリコイサムの展覧会『夜行雲』、現在は分からないけれど予約無しで鑑賞することができた。けれども、訪問歴を残す必要があり、LINEか、手書きの訪問シートで連絡先を記載する必要がある。 状況は刻々と変わるだろうから訪問前に公式サイトをチェックしてほしい。 今見たら、YouTubeの動画が表示されるようになっていた。これを見てから訪問したら、また違った解釈になっただろうと思う。

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藝大×佐賀大のコラボ展覧会

《ソトタマシイ》への道

修士論文の仕上げとしてピエール・ユイグの《ソトタマシイ》を見に行くべきだと考えた。2020年11月末、佐賀で企画協力した展覧会を訪問するタイミングなので、それにあわせて足を運んだ。 太宰府天満宮に向かう。 福岡空港に到着し、天神に移動、そこから西鉄に乗って二日市で乗り換え、実質的に参拝電車になっている太宰府線に乗り換える。その電車が滑り出した時、客殿跡の広大な広場が広がる。その瞬間、ここは太宰府の領域であり、参道であると悟った。思えば、西鉄天神駅から巡礼の道は始まっていた