「お酒は薬?」お酒と健康
こんにちは。
Porarisのるかです。
前回は「お酒は毒?お酒と健康①」についてまとめました。
今回は「お酒は薬?お酒と健康②」を紹介したいと思います!
●適量のお酒は長寿の秘訣?
●酒のメリット
●古代の抗生物質
●邪気を払う日本のお酒「お屠蘇」などなど
●適量のお酒は長寿の秘訣?
1981年イギリスのマーモット博士が、
「飲酒と死亡率のJカーブ効果」という研究を発表しました。
この研究ではお酒を毎日適量飲む人は、
全く飲まない人や、時々飲む人に比べて、
心筋梗塞などの冠動脈疾患による死亡率が減ったとい結果が出ました。
全く飲まない人を基準として、
毎日適量飲む人は死亡率が下がり、
毎日大量に飲む人はグラフが急上昇します。
それがJカーブを描いていました。
お酒は適量であれば、体にとってはいいんです!
●お酒のいいこと
・食欲増進
お酒を飲むと胃液の分泌が盛んになり、空腹感が増す。
・ストレスの緩和
精神的な緊張がほぐれ、ストレスが減る
・血行促進
血管を拡張して、血流の流れがよくなる。
・気分が高揚する
「ドーパミン」が分泌される。楽しさや心地よいときに分泌される
などなど
お酒を飲んで楽しくなるのは幸せ物質がでたり、緊張がほぐれるからなんですね。
やけ酒も理性を手放して、嫌なことを考えないようにしてるのかも…
飲み過ぎは体に悪影響を及ぼすので、量はほどほどに!
●古代の抗生物質
考古学の研究で、古代ヌビア人の骨からテトラサイクリンという抗生物質が発見されました。
ヌビア人はその抗生物質を定期的にビールで摂取していたと考えられています。
(抗生物質とは、細菌などの微生物の成長を阻止するもので、肺炎などの細菌感染症に効果があるものです。)
醸造中に、土壌中のバクテリアが入り込み、抗生物質を作り出したのではないかとみられています。
4歳児の骨からも抗生物質が見つかり、小児の病気を治そうと投与されていた可能性があるそうです。
歯周病や軽い病気を直すために用いられ、
複雑な発酵抗生物質技術は古代において広く使用され、次の世代に引き継がれていったようです。
●医療用として飲まれていたお酒
ワインは誕生がもっとも古いと考えられているお酒です。
古代ギリシャでも、ワインは薬のような扱いでのまれていました。
「西洋医学の父」の呼ばれるヒポクラテスは、
ワインの効用を医療として体系的にまとめたギリシャの医師です。
「ワインは薬の中でももっとも有益なもの」という言葉も残しています。
彼は、ハーブにも詳しく、煮出した液を薬としてだしていました。
ワインにハーブ(薬草)を漬け込み薬を作っていたようです。その薬草をワインに漬け込んで作った水薬が、
リキュールの起源とも言われています。
(リキュールは混成酒の一種。蒸留酒に果実やハーブを漬け込んで風味づけをしたもの。
現在は蒸留酒に漬け込んだものを指すため、ヒポクラテスの水薬のワインは醸造酒なので、違うのでは?という見方もあります。)
●不老不死の霊酒「エリクサー」
中世のヨーロッパでは、錬金術を用いて「エリクサー」を作っていました。
これは「賢者の石」と同一、もしくはそれを用いて生成される液体だったそうです。
服用することで、いかなる病を治すことができ、永遠の命を得ることができるとか…。
錬金術師たちは、いろんな実験を行い、たまたま醸造酒を蒸留する方法を見つけました。
作られたお酒「蒸留酒」は、今まで飲んだことない、強烈なアルコールと、風味や味がついていました。
奇跡的にできたお酒を「アクア・ビテ(生命の水)」と呼びました。
その蒸留技術は各地に広まりました。修道院でも治療や経営のためにお酒をつくっていました。
蒸留酒に薬用効果があるハーブを漬け込み、「エリクサー」をつくりました。「万能薬」や「治療薬」としてつかわれています。
以前少しだけ紹介したお酒「シャルトリューズ」も、「エリクサー」の一種とされるそうです。
レシピは門外不出、修道師数人しか知りません。蒸留酒とハーブを漬け込んだお酒です。
スプーンに角砂糖を一粒のせて、お酒をたらして染み込ませて飲むんだそうです。なんと素敵な。
(そのままでもカクテルにすることもあります。)
●邪気を追い払う日本の酒「お屠蘇」
お正月に呑む縁起物のお酒「お屠蘇(おとそ)」は、
1年間の邪気を払い、長寿を願っています。
「屠蘇(とそ)」とは
「蘇(そ)」という悪鬼を屠(ほふ)る、つまり打ち倒すという説や、
悪鬼を屠り、魂を蘇生させるという説など
解釈はいろいほあるようです。
このお屠蘇は、日本酒やみりんに「屠蘇散(とそさん)」を漬け込みます。
「屠蘇散」は数種の薬草を組み合わせたものです。
薬草は山椒、細辛、乾姜、桔梗などが一般的で、時代や地域によって変わってきます。
山椒は、消化不良や胃腸の不調に効果があります。
桔梗は、咳や咽喉に効果があります。
邪気を払うだけでなく、薬酒としての体にとってもよい効果があるお酒なんですね。
●まとめ
・お酒を毎日適量呑むと死亡率が下がる可能性がある
・お酒には、食欲増進、気分高揚などメリットがある
・古代ではお酒を薬として飲んでいた
科学のない時代、お酒は薬として飲まれていました。
時が経つにつれ、酔って楽しむものになります。
最近では、飲み過ぎて毒となってしまうことも…
量はほどほどに。
楽しむためには、体の健康があってこそですね!
次回は「お酒と美容」についてまとめてみます。
このノートは、お酒の勉強のためにまとめたものです。
みなさまの、お酒への興味、関心が広がるきっかけになれば幸いです。
Polaris るか
るかのミニ知識
今回紹介した、「お屠蘇(おとそ)」
私は飲んだことがありません。地域や家庭によるものなんですかね?
「お屠蘇」の飲み方は、最年長者が、最年少者へ注ぎます。つまりお年寄りから、若い人にお酒を注ぎます。若い人がお酒を飲み干し、次に若い人にお酒を注ぐ。
だんだん上の年齢の人に盃を渡します。
これは若者の生気を年長者へ渡すという意味があるそうです。
「一人飲めば一家苦しみなく、一家これを飲めば一里病なし」
という言葉があるほど、「お屠蘇」の効果を期待していたんですね。
今ほど医療技術がない時代に、お酒が薬でした。
アルコールを飲んでできるアセドアルデヒドが微生物を倒していたというのもあるでしょう。(気になるかたは前回ノート見てください)
迷信的な部分もありますが、昔から伝わる日本人の知恵なんですね。
日本の風習のこしていきたいものです。
私も呑んでみたいです。