カナダに来たら子どもが大切にされた話
こんにちは、ぽこたにです。
わたし、夫、長女(6歳)、次女(4歳)の家族4人でカナダに移住して7日が経ちます。
わたしたちが移住を決めた理由の一つは、カナダの子育て環境の良さ。
過去に2度、子どもたちと一緒にバンクーバーを訪れていますが、毎回「子どもがいても邪魔者扱いされないって、こういうことなんだ」と感じさせられます。
今回も、入国してたった3日で「やっぱりカナダに来てよかった」と実感したので、その気持ちが熱いうちに書き留めたいと思います。
バンクーバー国際空港にて
わたしたち家族は羽田空港からバンクーバー国際空港に入国しました。
空港だけでも、やさしさ満載でした。
歩くだけでかわいい
飛行機が着陸し、機内から空港待合室をつなぐ通路(ボーディング・ブリッジ)を歩いているときの出来事。
娘たちが手をつなぎ、仲良く並んで歩いていました。
その姿を見て、通路で待機していた清掃スタッフ10名ほどが一斉に
"Ooooohhhhh cuuuuuuuute!!!" (まーーー かわいい!!!!)
娘たちは英語が分からないので、自分たちのことを言われているとは知らず。
そのすぐうしろを着いていく母親(わたし)ですか?
もちろん「そうでしょ?かわいいでしょ?フフン♪」と得意げになりますよ!
"Thank you! Aren't they adorable?"(ありがとう!かわいいでしょう?)とわたしも返事をしました。だってそうだしね。
カナダに到着して10秒で、母親としての自信が10ポイントほど上がりました。
自分の大切な子どもが褒められるのはいつだってうれしい。
マスクをずらして褒められる
次は入国審査。本人確認があります。
実際の顔とパスポートの写真に相違がないか、子どももしっかりチェックされます。
今はコロナなので、もちろん全員マスク着用中。担当のガタイの良い女性オフィサーはマスクを外すよう英語で話しかけますが、子どもたちは英語が分からないので理解できませんでした。
しかし、英語が分からないと気が付いたオフィサーは急に声のトーンが明るくなり、ジェスチャーでマスクを外す仕草をして子どもたちに見せました。わたしが日本語で通訳するよりも早い、一瞬のできごとです。
状況を理解した娘たちはマスクを外し、本人確認OK。
オフィサーは静かな拍手と、手で「いいね」のサインをして
"Perfect!" "Good job!" (いい感じ!上手にできたね!)
と笑顔で褒めてくれました。
子どもたちは英語は分からなくても、褒められているのは分かるようで満足そう。
母親として、自分の子どもが褒められるのは無条件にうれしいです。
内心は「英語分からないのにできて、うちの子たちすごいでしょう?フフン♪」と思っています。
ここでも母の自信は10ポイントUP。
PCR検査をしてまさかのスタンディングオベーション
コロナの影響で、現在カナダに入国する5歳以上のすべての人は空港でのPCR検査が義務付けられています。
次女は4歳なので対象外ですが、長女は6歳なので検査が必須。
細長い綿棒を鼻の奥につっこんでグリグリする、大人でも非常にイヤなタイプの検査です(しかも右と左の鼻、両方!)。
それでもやらないことには空港から出られないので、仕方なく長女とPCR検査のブースに入ります。
(長女が検査するところを後ろから見守る次女)
痛いことが大嫌いな長女はもちろん席に座っただけで大泣き。まさにギャン泣き。
コロナで閑散としたバンクーバー空港に、泣き声が響き渡ります。
それでもPCR検査をしてくれた若い女性スタッフは終始やさしく語り掛け、泣いた拍子に長女が誤って綿棒に触れてしまったときも焦らず
"You can't touch this, sweetheart." (ごめんね、これには触れちゃいけないの、でもお姉ちゃん本当にがんばってるよ、その調子)
と言ってやりなおしてくれました。
※ sweetheart(スイートハート)とは、「ハニー」や「ダーリン」のように恋人に使うこともありますが、幼い子どもに語り掛けるときにも使います。本来「がんばってる」「その調子」という意味は含まれませんが、その場の雰囲気としてそう訳しています。
両方の鼻のグリグリが終わるころには、長女は泣きすぎて息もしずらそうでした。
「やっと終わった…」と思いながらブースを離れようとすると、なんとその一部始終を見ていた周りの検査スタッフたちがスタンディングオベーション!!
みんなが拍手をしながら
"You did it!"(よくがんばったね!)
"You are such a brave girl!" (とっても勇敢な女の子だ!)
と笑顔で見送ってくれたのです!!
そう、わたしの娘はがんばりました!!超がんばりました!!!
みんな見守っててくれてありがとう!!!!
大泣きして迷惑かけてすみませんと謝るどころか、がんばった娘を誇りに思わせてくれるこの雰囲気。
うれしい。
応援してくれたスタッフみなさんに感謝しながら、PCR検査ブースを離れました。
隔離先のホテルにて
2021年2月22日以降、飛行機でカナダに入国する人は、カナダ政府が指定したホテルで3日間(3泊4日)の隔離が義務付けられています。
2月末に渡航したわが家も例にもれず、ホテル待機となりました。
隔離中は一切部屋から出られないので、食事はすべてデリバリーとなります。
めっちゃジュース勧めてくる
デリバリーを主に担当してくれたのは、小太りでインド訛りの強いおっちゃんでした。
おっちゃんは、初日のデリバリーでドアを開けるやいなや
"Oooh you have two girls! Would you like some juice for the girls? Orange juice? Coke?” (おやおやおやおやお嬢ちゃんが2人も!お嬢ちゃんたちはジュースがいいかな?オレンジジュース?それともコーラ?)
子ども最優先な雰囲気がヒシヒシと伝わってきます。
そしておっちゃんはその後も、同じようなテンションで毎回デリバリーに来るたびに娘たちにジュースを勧めてくれました。
「大阪のおばちゃん飴めっちゃくれる現象」に通じるものがあります。
やさしい世界。
安心する。
散らかった部屋を見て大笑い
3日間も狭いホテルの部屋に缶詰めなのは、正直幼児にとって厳しい環境でした。
それでも引きこもるしかないので、娘たちに負担をかけないよう隔離中はできるだけ自由に遊ばせていました。
2日目の昼、娘たちは「ハサミで折り紙をこまかく切る」作業が楽しいと気づき、カーペットは切り刻まれた紙が散乱する事態に。
(上記写真はほんの一部です)
そしてデリバリーの時間。
ドアを開けて部屋の中を見たデリバリーのお兄さんの第一声は
"Oh look at that! Hahaha, yah I understand, they're kids!" (うわあスゴイ!ハハハ、分かるよ、子どもだもんね!)
そう、子どもだからこうなっても仕方ないよね!!
初対面の若いお兄ちゃんにも子育ての大変さが少し分かってもらえたような気持ちになり、ちょっとだけ肩の荷が下りました。
責められないってうれしい。
子どもが子どもらしくいるのが当然と受け止めてもらえてうれしい。
ベビーシッターだってカモン
デリバリーでよく部屋に来てくれたおっちゃんは、子どもたちにジュースを勧めてくれるだけではありませんした。
"Beautiful girls! If it wasn't for Covid, I would love to babysit them! Hahahaha" (可愛いお嬢ちゃんたちだ!コロナがなかったら喜んでベビーシッターを引き受けるんだけどね!わっはっはっはっは)
社交辞令だとしても、これだけ子どもがウェルカムな雰囲気を作ってくれるのは本当にありがたい!
しかも、一度ではなく何回か言われました。
親以外に子どもたちを気にかけてくれる人がいる、この安心感。
やさしい世界。
本来、コロナ対策としてデリバリーの人はできるだけ隔離者との対面時間を減らさないといけないと思います。わが家が泊まったホテルは、コロナ対策がしっかりできているとは言えない状況でした…。が、それはまた別のお話。
やっぱりカナダはやさしかった
ここまでの出来事、入国してからたった3日間にあったことです。
しかもコロナで隔離があるので、空港とホテルだけの話。
たった3日間、2ヵ所でこれだけ「子どもが大切にされる瞬間」があるカナダ。
まだ本格的にカナダで子育てをするのはこれからですし、知らないこと、経験したことがないこともこれからどんどん増えていきます。
辛いことも不便なこともたくさんあると思います(この記事を執筆している入国7日目時点ですでに多数の苦労あり…)。
それでも、やっぱり子育てをするためにカナダに来てみてよかったなと感じています。
これからもどんなことが起きるのか、楽しみ!
それでは、また。
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