#ポスト安倍について

 歴代最長政権が突然幕を引いた。次期首相となる候補者は、政権運営の構想を明確に示すことが肝要である。

 安倍晋三首相の辞意表明を受けて、後継を選ぶ自民党総裁選に向けた動きが本格化してきた。

 候補には、政権を支えてきた菅義偉官房長官や岸田文雄政調会長、前回総裁選に出馬した石破茂元幹事長らの名前が挙がる。

 新総裁の具体的な選出方法が問題となっている。

 自民党の執行部は総裁選について、党員投票を行わず、特に緊急を要するときに認められる国会議員と各都道府県連の投票で決める両院議員総会による選出を決定した。

 事実上、首相を決める選挙であるから、党内派閥の利害を優先させるものにしてはならない。工夫して公開討論の場を設け、国民にわかりやすい政策論争を展開してもらいたい。

 国会閉会中であり、喫緊の課題であるコロナ対応について、現首相は政治空白が生じないように追加対策を発表している。また、後任に引き継ぐまでは、職務を全うするとしているので、党内規則の「緊急を要する」の意味を履き違えていないだろうか。

 党員らの重要な権利である投票権をぜひ尊重してほしい。

 まだ公に、立候補の意向も政権構想も明らかにしていない菅義偉官房長官に対して、まずは二階派、そして安倍晋三首相出身母体である最大派閥の細田派、第二派閥の麻生派と竹下派が支持を決めた。

 結局、安倍晋三から菅義偉に人が変わっただけのような構図にも見える。

 勝ち馬に乗った主流派は、今後熾烈なポスト争いを繰り広げるだろう。

 派閥のバランスを考えた人選となるだろうが、本当の意味での適材適所なな任命となり得るだろうか。今後に注目したい。

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