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ダイマックスの原理に関する考察【ポケモン生物学】

ポケットモンスター最新作となるソード・シールドですが、様々な追加要素が存在します。
野生ポケモンのシンボルエンカウント制、ボックスシステムの刷新、ワイルドエリアの追加などなど…
その中でも一番の目玉は、ダイマックスでまちがいないでしょう。
互いのポケモンが巨大化して、大迫力の戦いを繰り広げるダイマックスですが、
その詳しい原理についてはゲーム中では語られていないんですよね。
ということで今回はダイマックスの原理について考察してみました。
ストーリーのネタバレがあるのでまだの方はご注意ください!!

1.ダイマックスとは?

ダイマックスとはガラル地方でのみ見られるポケモンの巨大化現象です。
その大きさは10mを優に超えていて、例えばリザードンのキョダイマックス(ダイマックスの亜種)の姿は設定上28m~ともされています。

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これはビルでいうと8、9階建ての高さなので、怪獣といっても差支えないサイズです。
もはやウルトラマンの世界の住人ですね。
(元ネタを考えれば妥当とも言えますが…)

一応、所かまわずに起きる現象ではなく、ダイマックスの源である「ガラル粒子」が発生している場所でのみ確認されています。
このような場所は「パワースポット」と呼ばれていて、ガラル中に点在しています。
また、対戦中にダイマックスの出来るジムスタジアムやローズタワーもパワースポット上に建設されているみたいですね。

基本的に自然発生する現象のようですが、「ダイマックスバンド」を使用することで任意のタイミングでダイマックスを引き起こすことが出来ます。
このダイマックスによる大怪獣バトルでガラル地方のポケモンリーグは世界中から注目されているわけです。

そんなダイマックスですが、その巨大化の原理については未だに謎が多く、
また、設定の中には一見矛盾とも思える設定が存在しています。
まずはこの巨大化の原理について考えてみましょう。

2.ダイマックスの矛盾

実はダイマックスにおける巨大化の原理について、ゲーム内でかなり直接的に語られている場所が存在します。
それが10番道路のお得な掲示板です。以下がその内容となります。

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「ポケモンの体内から放たれた特殊なパワーが周りの空間を歪ませ、実際の大きさよりもポケモンを巨大に見せる」

そう、実はダイマックス、ポケモンが巨大化しているわけではなくて、空間のゆがみによってそのように見えるだけなんですね。
たしかにポケモン図鑑においても、キョダイマックスポケモンのおおきさの設定は存在するものの、おもさに関しては???.?kgという曖昧な表現になっています。
また、これならダイマックス技に接触技が存在しないのにも納得がいきます。
実際に大きくなってないのなら、相手に触れるとボロが出ちゃいますもんね。

実体より物が大きく見える現象の代表例として蜃気楼が挙げられます。
蜃気楼とは空気中に暖かい空気と冷たい空気の層が出来ることで光が捻じ曲げられて発生する現象で、寒暖差によっては物が縦に伸びて見えることもあります。

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(引用:https://www.honda.co.jp/kids/explore/mirage/)
ダイマックス時には頭上に特有の雲が現れることが知られていますが、これも急激に寒暖差が発生したことで生じる上昇気流によるものなのかもしれません。

…とまあここまでそれっぽく説明してきましたが、ダイマックスが蜃気楼による虚像だとするとさまざまな矛盾も発生してしまいます。
例えば図鑑説明の中には、実体が巨大化していないとつじつまが合わないようなものもいくつか存在しています。

コンポーネント 42 – 1

また、先ほどダイマックス技に接触技がないとは言ったものの、アニメでは巨大化して建造物を破壊してたりするんですよね。
サトシなんかは巨大化したカビゴンに飛びついてよじ登ってたりします。

コンポーネント 41 – 1

実体は巨大化していないのに、周囲に対しては実体があるかのようにふるまう。
体は小さいままなのに遠くのものに触れ大きな影響を与える。
一見矛盾している設定ですが、発想を逆転させてみると新たな可能性が見えてきます。

ポケモンが巨大化しているのではなく、周囲の物が引き寄せられ・縮小しているのではないか?

現実世界ではありえない現象ですが、ポケモン達の能力であればどうでしょうか?

3.ダイマックスによる空間の歪み

ダイマックスの定義を示したお得な掲示板の記述を再度確認してみます。

「ポケモンの体内から放たれた特殊なパワーが周りの空間を歪ませ、実際の大きさよりもポケモンを巨大に見せる」

この記述によるとダイマックスは特殊なパワーにより周囲の空間自体を歪ませているようです。
確かに、空間を操って歪ませることが出来るポケモンは少なくないですよね。

コンポーネント 40 – 1

先ほどは光が蜃気楼のように屈折して、実体よりも巨大なポケモンが見えていると考えていましたが、空間の歪みが光以外のものにも影響を及ぼすのであれば、ダイマックスが引き起こす現象の辻褄があってきます。

ダイマックスはその特殊なパワーで、ポケモンの体から一定の範囲に空間の歪みを発生させます。
この空間に入った物体は歪みによって、瞬時にポケモンの中心方向に引き寄せられます。
光であれば蜃気楼と同様の仕組みでポケモンが巨大に見えます。
また、物体が近づいた場合は、その物体全体が中心方向に引き寄せられる関係で大きさが縮小することになります。

アセット 虚実

アセット らす5

現実世界において、実際に空間を歪めるものとしてブラックホールが挙げられます。
ブラックホールとは極めて高い密度を持つ天体であり、その強い重力で光さえも中心に引き寄せてしまう性質を持ちます。
ブラックホールに引き寄せられた光は逃げることが出来ないので真っ黒に見えるわけですが、ダイマックスの場合はポケモンが見えなくなっているわけではないため、
厳密にいえば中心に引き寄せられているわけではなく、ポケモンの体表に直結する形で空間が歪んでいるものと思われます。
そういった意味では、ワームホール※に近い現象かもしれませんね。

アセット 直結

※ワームホール…時空のある一点から別の離れた一点へと直結する空間領域でトンネルのような抜け道

4.ムゲンダイナとダイマックス

ゲーム本編では、ダイマックスはムゲンダイナが生み出す「ガラル粒子」のエネルギーによるものだとされています。
ムゲンダイナは3000年前の大厄災「ブラックナイト」を引き起こした元凶です。
ブラックナイトとは、ガラル中のポケモンがダイマックスして暴れだすという恐ろしい災害で、これによりガラル地方は滅びる寸前まで追い込まれたという歴史が語られています。
そしてこのブラックナイトの再来に立ち向かうというのが本作のメインストーリーでした。

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ストーリーの最終盤で、主人公とホップはブラックナイトの正体である、ムゲンダイナの「ムゲンダイマックス」の姿と戦うことになります。
この時、ムゲンダイナの周囲の空間が歪んで、様々な場所の景色が映し出されるような描写がなされるんですね。
先ほどのダイマックスの原理を考えると、この現象にも納得がいくはずです。
つまり、ダイマックスをはるかに上回るムゲンダイマックスの強大なエネルギーによって、遠く離れた空間とムゲンダイナの周囲の空間が直結してしまったわけです。

これはガラル地方の至る所でムゲンダイナの残存粒子である「パワースポット」が確認されていることに対する説明にもなります。
3000年前のブラックナイトの際にムゲンダイナと直結してその影響を強く受けた場所、それが現在のパワースポットだと言えるのではないでしょうか?
ムゲンダイマックスの影響範囲がちょうどガラル地方を覆う広さだったのであれば、ダイマックスがガラル特有の現象であることも不思議ではありません。

5.最後に

ガラル地方において今やなくてはならない存在であるダイマックス。
その正体は過去の大厄災「ブラックナイト」を局所的・人為的に引き起こした物だと言えるでしょう。
一見、危険にも思えるかもしれませんが、ガラル地方の娯楽や産業がこのエネルギーによって発展してきたことはまぎれもない事実で、
人知を超えた存在とどのようにして付き合っていくべきなのか、その問いかけはシリーズ全体通してのテーマだと言えます。
これは現代のエネルギー問題などにもそのまま当てはまる話なわけですが、そう考えると今作のストーリーは、実はなかなかメッセージ性が強いのかもしれませんね…
ラスボス枠であるローズさんも純粋な悪役とは言い切れないように思えます。

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ということで今回の考察はこれまでです。
ダイマックスについてはキョダイマックスやバドレックスの存在など、まだまだ考察することがあるので別の機会に考えてみたいと思います。

6.まとめ

・ダイマックスは周囲の空間の歪みにより、あらゆるものが対象の中心に引き起こされて起きる。(厳密には空間が直結している。)

・ダイマックスは過去の大厄災の残存エネルギーをもとになりたっている現象である。

・それっぽくまとめたけど物理学詳しくないので間違ってたらご指摘ください!

動画版も作成しましたので
良ければこちらもご覧ください。
(内容は全く一緒です。)




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