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エンド・オブ・ライフを読んで

在宅での終末医療について書かれた本。

そして、いくつもの人生の終わり方が詰まった本。

取材で見てきた人々。

自身の母親。

そして、数々の人々を看取った看護師の友人。

愛しさにあふれたもの。凛としたもの。過酷なもの。

その終わり方は様々だ。

佐々さんの文書はただ事実を伝えるだけでなく、温もりがある。

でも、決して主観的になり過ぎず、客観性もきちんとある。

私の1番好きなノンフィクションライターだ。

印象に残った言葉がある。

「自分の命日は、春になるか、夏になるか、秋なのか、冬なのかって考えません?」

人は必ず死ぬ。

でも、どのように自分は死ぬのだろうと考えることはあっても、どのような季節に死ぬのだろうとは考えたことがなかった。

当たり前のことだがこの世界には四季がある。

私が終わりを迎える時、桜が咲いているだろうか、蝉が鳴いているだろうか、紅葉に満ちているだろうか、雪が降っているだろうか。

私の最期の季節はいつなのだろう。

そんなことを考えさせてくれた本だった。



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