見出し画像

認知症になっても変わらない

うちの祖母は認知症です。

発症したのは10年以上前で、それから薬を飲みながらゆるゆると進行する認知症と付き合いながら、気づけば90歳をとうに過ぎました。

祖母が認知症と聞いた時に、「大好きなおばあちゃんは私のことを忘れてしまうんだ…」と想像して涙したようなことはあまりなく、最近は私の名前はもう出てきませんが、顔を見たらなんとなーく孫だとわかるようで、この歳で、数分前のことすら覚えてない今の状態では、かなり上出来です。
名前を呼んでかわいがっていた夫のことはもうわからず、毎回「旦那さん?」と聞くのがおかしくて笑ってしまいますが笑

病気も骨折もして、入退院しつつも、在宅で元気に過ごしています。


私は祖母と会うと、認知症になっても、人は変わらないんだなと感じます。
認知症になっても、祖母は祖母なのです。

すぐに忘れてしまっても、よぼよぼになっても、おばあちゃんはずっと私の大好きなおばあちゃんです。


祖母は私と会うと毎回同じことを言います。

「今日帰ってきただ?」
「どんな仕事しとるだ?」

私が遠方に住んでいて、年に数回しか帰ってこないので、昔から必ず聞かれていました。

また、仕事は、私たち夫婦が福祉の仕事をしているので、祖母の相談員さんや行っているデイサービスのスタッフさんと似たような仕事だよとずっと話をしていたので、想像しやすく馴染みがあるようで、いまだに私=仕事の話題があるようです。

そして、仕事を聞くと必ず
「いい仕事に就けてすごいなぁ」
と言ってくれます。
昔からです。

おばあちゃんはずっと私の仕事を褒めてくれます。


それらの言葉を聞くと、やっぱり祖母は祖母だなと思います。
歳はとっておばあちゃんになっていくけど、本質は変わらないんだなと。


だけど、この前会った時には、祖母は少し違うことを言いました。

「いい仕事だけど…大変な仕事だなぁ」

その言葉が珍しくて驚き、実際に今仕事が大変なので、思わず泣きそうになりました。



認知症の方と話すと、何かを見通されているような不思議な感覚になることがあるのですが、祖母も何か感じることがあったのかなと思いました。

認知症になったら第六感が開いたり何か能力が開花したりする。
それはそれで楽しいかもと密かに妄想していました笑


祖母に
「大変だけど、楽しいよー。私、この仕事が好きだに」
と言える仕事をしたいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?