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伝えたいから

電車を見に行くのが好きな子がいます。
デイの時間は限りがあり、職員もずっと1人に付いていられないので、時間を決めて行きます。  

だけど、好きだからすぐには帰れず、もっと見たいと言うことが多いです。

そういう時に、すぐに帰れたらデイで好きな活動がたくさんできるよ、でも、もう少し見たらちょっとしかできないよ、ということを伝えたいと思います。

だけど、どうやって伝えたらいいんだろうと悩みました。

口頭だけでは伝わっているのかどうか疑問でした。
適当に返事している様子があったり、できなくていいと言いながら帰ったらできないことに怒ったり…

身振りなどで伝えるのも難しく…

言い過ぎて怒られてると感じさせてしまうこともあり、申し訳なく思いました。

なんとか伝えたい。

そこで、カードを作ってみました。
タイムタイマーで時間を表して「ちょっと」と「いっぱい」と示しました(その子の使う言葉を使いました)。

帰ったら好きなこといっぱい。
電車を見たら好きなことちょっと。


絵や写真などを使ってやりとりをしたりわかりやすすく示したりすることを視覚支援といいます。

視覚支援というとおおげさなものに考えられがちですが、視覚支援をしないといけないわけではなく、良い悪いでもなく、ただただその子に伝えたいから、伝わるにはどんな方法がいいかを考えただけです。

伝わってほしい。
伝えたい。

その気持ちが何より大切で、そのための方法として何があるかを考える。
方法の是非は関係ありません。

ただただ伝えたいから、伝わる方法を考えて実施する。
支援ってそれだけなんだと実感しました。


今回のカードを使ったらどうなるかはまだこれからです。
もしかしたらやっぱり伝わらないかもしれません。
そうしたらまた別の方法を考えて試してみるのです。

伝えたいから。
伝わることで、その子の世界が広がって、選択肢が増えるから。

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