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不眠と瞑想

不眠とはずいぶんと長い付き合いをしている。

翌日ミスをしないためにしっかり寝ておかなければと思うあまり寝付けなくなる。さらに、自分は眠れないことを心配するあまりかえって眠れないタイプの人間であることを自己嫌悪する発作が起きる。発作がおさまると、また眠れないことを心配するあまりかえって眠れなくなることを心配する仕事に戻る。そんな感じ。

数年前にうつ病を患って以降は、ますます繊細になってしまったようで、翌日に予定があるだけでプレッシャーを感じ眠れなくなることが多い。

いまはリモートワークが市民権を得たことで、不眠に伴い現実に生じる色々な不都合を解消できるようになった。おかげで不眠がクリティカルな問題でなくなり、特段の対策をしようともしない生活だ。これまでは、世間で言われている様々な対策を試してきた。「睡眠の科学」的な本が出るととりあえず全て目を通し、日々寝る前の数時間は照明を落とし、心穏やかに過ごすことに気を配り・・・などなど。どれも明確な効果を感じさせてくれることはなかったわけだけど、そんな取り組みの一つに瞑想がある。

数年前から、シリコンバレー発のマインドフルネスブームが起きていることもあって、それこそ本を読んだりアプリを試したり色々やってみた。でも、これまでの人生で幾度となく指摘されてきた通り、僕は常に頭の中で何かを考えてあっちこっち飛び回っているタイプの人間である。穏やかなBGMやらゆったりとした呼吸やらに身を任せて集中しようとしても、瞬く間に頭の中は別のところに行ってしまう。完全に相性が悪いことを実感して、すぐに気持ちよく諦めることにした。1~2年くらい前だったと思う。

そんな中、昨日に続き仏教の本を読む中で、ハッとする言葉に出会った。

「初心者はまず、瞑想に集中できていないことに気がつければ問題ない。毎日チャレンジして毎日うまくいかなかったとしても、何度も気づけていることが成果」「瞑想中に頭に浮かんだ妄想を否定するのではなく、客観的に見つめ、快でも不快でもなく中立に扱えるようになるまで継続することが大切」

後半の文章は知識としては知っていたけれど、前半部分を読んだことで、ちゃんと理解していなかったことに気がついた。かつて、趣味が持てない人に対するアドバイスで「せっかち過ぎるから趣味にならない。つまらなくてもしばらく我慢して付き合い続けることで気づいたら趣味になっているものだ」というものに感銘を受けたが、同じような気持ちになった。僕は頭の中も現実の行動も、自覚している以上にせっかち過ぎるのだろう。

とりあえず、今日から寝る前に軽いノリで瞑想を試みてみよう。さくっとアプリを入れて、初心者向けの短時間のもの聞きながら呼吸に集中することを毎日続けてみよう。つらつらとnoteに日記を書き、たんたんと瞑想に耽る。どこに行きつくのか着かないのかは分からないけど、とにかく日々のルーティンに集中してみよう。いつの間にか、noteと瞑想が趣味になっているかもしれない。

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