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#7 恩師 Oさん

ポイです
↑の画像はLyon市内のなんの特徴もない普遍的なリアルな街並みです
フランスでは飲食店は1階にしかありません
テナントとしては1階にしか出せない法律になってます
洪水になったらどこも営業不可ですわ!

Oさん

副料理長
豪快としか言えない仕事っぷりと
人間味溢れる言動
経験に裏打ちされた技術と知識
風俗大好きでギャンブルも大好き
下戸そしてヘルニア

Oさんはポイが今まで生きてきた中の
「仕事」で関わってきた人達の中で一番尊敬している人物です
そして大好きです、ホモォな意味ではなく
Oさんと一緒に仕事をしていたからこそポイはみんな仲良くなれたと思ってます

性格ははっきりしていて、嫌なものは嫌
好きなものは好きと自由奔放
面倒見が良く完全に兄貴肌です
どちらかと言えばポイは気弱な我慢気質な人間だと思いますが、Oさんは真反対の勝ち気な親分気質です
そんな所に憧れたんだと思います
人は自分にはないものを見ると気になってしまいますから

面白さ

皿洗いからスタートのポイですが
恩師との初邂逅は
O「よろしくね!洗い場やりたいからやらせて!なんか他のことやって!」
でした笑

ポ「いや、あの、新人そんな仕事できないし、他に何やればいいんすかほんと!」

O「あー?そっか!じゃ、一緒になんかやろっか!なにやろうか!」

と引っ張ってくれるポイとしてはとても頼もしく頼れる人でした
仕事は甘くはなく、出来ないことばかりでいつも凹む毎日
料理長Eからの理不尽もあり精神的にやつれていく中である時に

O「何?凹んでんの?ま、仕方ないね!
俺も最初ぜんっぜんできなかったよ!
だから、そんなこまけーこと考えてないでガンガン仕事しなよ!失敗してもいいからさ!わかんなかったら聞いてよ俺に!」

衝撃でした

ポイはEから誘われて入ったので
当時の周りは「縁」を重く見て師弟関係と捉えていたと思います
そんな中でこんなに真っ直ぐに向かい合ってくれる人はこの人だけでした

Eの教えることなく失敗を理由にぶつけられる理不尽より、Oさんの真っ直ぐな気持ちに心が持っていかれるのは当然だったと思います、そもそも人間味が違いすぎたんですよね実力も

そこから徐々にOさんに師事をお願いするようになり、Eからの理不尽も加速していきます

E「おい!ポイ!おめぇなんでこれやってねぇんだよ、見たらわかんだろ!言われなくてもやれよコラ!できねぇんだから頭くらい使えバカ!」

O「あ!Eさんそれ俺指示出したんですよね、そのあとそっちやるんで!大丈夫ですよ!」

こんな感じで壁になってくれたり、間接的にポイを守ってくれるこの人と一緒に仕事ができる事でポイの心はなんとか保ち続けられました
仕事を覚える速度も以前とは比べ物にならないほど良くなり、ミスも減り、自分で勉強したことを実践する機会も与えてくれる
本当に可愛がってもらってたと思います

食事にしても破天荒で
「食べたいものは朝から食べる!」
と豪語するので、朝から唐揚げ定食+カルボナーラ+ジョッキコーラ
の様な激重賄いを一緒に食べてましたよ

仕事が終わってタイミングが合えば

O「ねぇ!どうすんの?!飯でも食いに行く?風俗いくか!?」

ポ「ご飯でお願いします」

O「なんだよ!真面目か?笑
  風俗くらいいいだろ!笑」

と会話自体も楽しくて、この人と一緒に仕事をするのがたまらなく楽しく、嫌なことがあっても仕事がきつくても
「この人と楽しく仕事がしたい!」
という気持ちは抑えきれませんでした

一年半程…かな?
この関係が続き、忙しい仕事をなんとかこなして、そこそこ仕事にも慣れて、
プライベートでOさんともっと交友を深めていったある日

やはりEはこの関係はどうしようもなく気に入らなかったようです

修復不可能

Oさんに師事を受けながら
Oさんの事を少しずつ理解する
本当は我慢しているだけ
納得できない事もあるが立場でも役職で会社として仕事をしているからこそなるべく揉め事は避けている
Oさん自身下積みも長くポイと同じように理不尽を受けそれは問題だと認識している
当時のアホなポイの考えが及ばないような深いところ、人事としてもOさんはEの事を問題があると考えていて、何気ない会話の中でそれをすこしずつ少しずつポイにも話してくれました

O「ポイはさ、どう思う?」

ポ「どうって、何がです?」

O「いやさ、俺も下積みしたよ?
 そりゃまーぶっこまれたり追い詰められたりもしたけど、今のEさんはちょっとやりすぎだね!ほんと」

ポ「そうですね、自分も散々やられてきてますし、我慢してますけど嫌なものは嫌ですよ」

O「うん、そうだよね、実はさ移動も考えててな、会社を辞めるわけじゃないよ?系列店に移動だけど、あんなのちょっとな、その内やってらんねぇってなるよ」

ポ「じゃあ自分も付いていきたいです、別にあの人に誘われたからって、Oさんと一緒に仕事をしたほうがいいですもん」

O「うーん、それはちょっとなー、縁故ってもんがあるからね、一応ポイくんはEさんでってなってるからね」

ポ「そうですか….」

そんな会話をして、しばらく経ったあとにその時は突然訪れ

営業中、忙しい中EとOさんは些細な言い争いから使われてない客席に行き
そちらから次第に怒号と激しい物音が響いてきました

ポイが見たときは
Oさんが椅子を振り上げ、それをNさんがなんとか止めて、Eは某俳優みたいに

E「こいよ、ほらこいよ」

ポイも慌てて止めに入り
なんとか場は収まりましたが
Oさんはもう止められないほど決意して

O「ポイくん!もう無理!俺ここもうやらないから!」

何も言えませんでした

Oさんの怒り、憤り
痛いほどわかる今のおかしな環境
理不尽でイカれてる料理長
ポイだって辞めようと思いましたが

O「ポイくんは生活もあるから頑張らないといけないよ、でも、もし、もう無理だと思ったらその時は俺に言って!」

そう言われては何も言い返せません
だってまだOさんの言う想いに応えてもいないんですから

その日、Oさんはそのまま帰り
違う店舗へと移動になりました

ポイの気持ちは憂鬱の一言で表せられないほど沈み、Oさんの教えで培ったものを仕事で出せるようにするしかない

Oさんとの関係はここで終わり




じゃないんですよねーーー!
Oさんは後期にて料理長となります
Eに関しても因果応報というか
飲食店としては有り得ないやらかしをしてその責任をとることとなります

このOさんとの関係が
今現在ポイの仕事でのスタイルに大きく影響して、フランスでも生きていける原動力となってます


この場を借りて

Oさんありがとうございます
あなたのおかげで私は今生きて行けてます、あなたのおかげで様々な人に喜んで貰えています

noteを通じて見てくれている方々に
皆さんも同じだと思います
直接会えずとも想いは人を変えます
繋がりを持てたことに感謝を

ありがとうございます


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