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#14  8さん

ポイです
↑の画像はLyonの路面電車です
車両の中で切符確認します
そりゃあもうキセルしまくる奴がいて
そんな人はたまにパトロールしてる
取締職員に捕まります
罰金!

8さん

努力家で勤勉
Oさんと長く仕事をしてたので経験豊富
兄貴的存在であるとともに
色々な技術も教えてくれる

でも礼儀と言葉遣い、態度
これらの悪さで烈火の如く怒る
ポイは大丈夫でしたが

そしてお酒を飲んじゃうと何がキッカケで怒り出すかわからない怖さと
前職の影響なのかとても気難しい
「酒乱」な方でした

渡仏するまでに、8さん以外にもそんな人はいましたけども、個人的にはダントツでおっかない人だったんです

何故か気に入られてたようで
「Oさんのポイ」という認識だったらしく邪険にされることはなかったです

初邂逅で

8「おぉー初めまして8です、Oさんから聞いてるよ、やるんだって?
俺も負けねぇようにやってくからよろしくなぁ」

ポ「あぁ…はいぃ…こちらこそよろしくお願いしますぅ…」

そんな仕事できる訳じゃないのに
Oさん何話したんすかほんと

そんなアグレッシブな感じだったので
ビビり倒してましたが
いざ仕事を一緒にしてると
口調はオラオラしてるけど
とても尊敬できる人だった

会話の中で色んなワードが出てくるが
当時のポイにはわからなくて
「一本独鈷の所にいた」
「大学行ったからもう弁当はねぇけど」
「仕事でもイモ引いたら舐められる」
等よくわからない会話が多かったので
Oさんに聞いてみた

ポ「8さんて前はなにやってたんです 
  か?」

O「あー8くんね、前は組にいたんだ
  よ、辞めて今は関わりないから!
  大丈夫だよ!」

ポ「アッ、ワカリマシタ」

そうですか、そりゃなんか雰囲気違うし
大学生のJくんを号泣させるほど怒ったりしてたし
迫力というかなんというか
そっち側の人だったんですね
マジで「兄貴」でした

仕事に対する取り組み方が
今まで見た人とは全く違ったもので
命をかけているような
今の自分をすべて絞り出すかのような
休憩も食事もするべきことが終わらなければ取るべきではない
というスタンスだったのでポイは内心で

ポ「食事くらいしましょうよ…
  休憩行ったっていいじゃないですか
  朝から全力全開でやらなくても…」

と思うのみ、怖かったのでなんにも言えず素直にそのペースで一緒に仕事をこなす日々

怖いけど良い経験を重ねられて
理不尽に怯えることもなく
時は駆け抜けていく

教えてもらうこともできず
理不尽扱いを受けて萎縮していた前期とは違い、後期のポイは成長を自分でも実感できるくらいには職場での仕事をこなせるようになりました
8さんありがとうございます

基本小心者のポイは
何を言われても控えめ(ビビり)
年功序列も強い厨房の仕事では
大学生のJくんと歳も1歳しか変わらず
最年少組であり、可愛がられる立場
(いろんな意味で可愛がられます笑)

縦社会!

ストレスとお酒


楽しく飲めないお酒を飲むと
きっとこうなるんでしょう

8さんは上昇志向が強く
もっと技術向上させて職場で使いたい
素材にも拘りたい
接客もこうあるべきだ
星付きのレストランで働きたい
等など常日頃から8さんの中に
こうあるべきだという理想があったようで、不満を少しずつ漏らすようになる

社会人としての責任
職場での仕事と評価の確立
鬱の様な状態から抜け出し、人間関係に信頼をおけるようなったこと
これらがやっと見えてきたポイは
8さんの不満な部分が理解しきれず
ポイの理解を得られないこと
その考えに周りの理解も得られなかったことも不満だったようです

徐々に朝遅刻と二日酔い状態が多くなり
常にイライラしてた

台風が東京を直撃した日の早朝
出勤して更衣室に向かうと
ロッカーはボッコボコになり
設置していた物はめちゃくちゃに

ポ「泥棒だ!!大変だ!!」

と慌てましたが
客席を覗くと乱れきった姿で
私物が散乱している中爆睡している8さん発見+酒臭い!

ポ「8さん!8さん!大丈夫っすか!
  もう9時になりますよ!
  うっわ酒くっせ!
  8さん!8さーん!」

8「…….   ……. 」

ポ「こりゃ起きないや、ダメだ」

オープン時間に間に合わなくなるので
再起動は諦めて一人でやることにした
状況を把握、迅速に店長へと連絡
不満が爆発してこうなったんだろう
動けなくなるほど飲んじゃったのか
なんて思いながらOさんが出勤するまでランチを一人でなんとかやって事情説明

店長は備品の事で怒り
料理長Oさんも冷静だけどこの状況に怒り、寝ていた8さんを叩き起こし事務室へと連行

話し合いが終わったのは夕方頃

O「ポイくん、ごめんね
 8くんは酒抜けてないから帰らせたわ
 こんなことしないって約束させたから
 安心して」

ポ「なんとかなりましたし、大丈夫です
  けど8さんどうしてあんなになっち
  ゃったんですか?」

O「色々あるけどさ、酒がだめだな
 酒飲むとあんなになっちゃうから
 ほんと気をつけないとだめ8くんは」


それ以上は質問することができず
翌日には8さんも出勤して

8「ポイ、悪かったな
 もうこんなことしねーから
 仕事で見せるから勘弁してくれ」

ポイ「大丈夫っすよ、それより身体壊さ 
  ないようにしてくださいね、あんま
  り飲み過ぎたら心配ですよ」

8「そうだな…わかったよ」


それからは少し元気がない8さんだけど
仕事ではいつも以上に全力で取り組み
口数も少なくなっちゃって
あまり感情を出さなくなっていった

しばらくして
どれくらいかな?3ヶ月ほどだろうか
その日は強く記憶に残ってる

店長「ポイくん、なんか警察から電話で
 ポイくんに変わってくれって、なんか
 したの?」

ポイ「え!知らないですよ!
  何も悪いことしてないですし
  ここで仕事ばっかりじゃないですか
  店長も知ってるでしょ!」
 
店長「そうだね、とりあえずでてくれな 
  い?電話」


ポイ「はい、お電話変わりました」

警察「ポイさんで宜しいですか?
  〇〇署の✕✕と申します
  8さんの身元引受人としてあなたと
  言われまして、〇〇署の方にお越し
  いただけますか?」

ポイ「すいません、今仕事中で僕はちょ
  っと行くことは出来ません、店長に
  聞いてもらっていいですか?」


まさかの警察からの電話

出勤してこないなと思ったらこれで
仕事中で忙しいし
こんなこと言われたの初めてで
テンパり具合が半端なく
厨房の人たちが来るまで動揺

原因はお酒を飲んだあと
路上で喧嘩になり、そのまま警察に通報されその地域の警察署に
逮捕されたのか、相手とどうなったか
などの詳しい事情は知ることはできず
ただ、心配するしかなかった


禁止


警察からの電話のあと
1週間ほど経ってから8さん出勤

前もってOさんと話し合い&説教のあとに「飲酒禁止、私生活でも」の約束を守れなかったら退職という方針が決まった
ようで

8「本当に申し訳なかった…..
 これからは酒は飲まない」

その一言だけ
自分からは気の利いた言葉も心配する言葉も何も出てこなかった
それだけ重い事だし
お酒に対する考えを変える出来事でした

その後はお酒を飲まない8さんは
以前よりも穏やかで徐々に禁酒生活にも
慣れていったようで
喫煙回数は増えたものの
禁酒前よりも血圧が通常値に
精神的にも安定
彼女とより仲良くなったり
などと本人から聞いて
本当に良かったなーと

ポイもアルコールは好きですけど
今はその当時よりも飲めないですし
二日酔いがつらいのもイヤ
自然と年齢と共に飲めなくなり
たまに飲む程度の頻度です

お酒のリスクを恐ろしい程感じた出来事でした

後期の最後は8さんの飲酒解除
この集団の離散
歌舞伎町からの離脱
今じゃ考えられない会社との対立
そんなことあったなぁと思い出しながら書こうと思います


ここまで見ていただいてありがとうございます

創作なのか、事実なのか
それはご想像にお任せします
しかし、ここに僕の青春と事実が入っていることは確かです












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