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じわじわ精神をえぐられる、誕生日プレゼントの思い出。

2社目は100名足らずの小売業だった。毎年、社員の誕生日には社長が誕生日プレゼントを渡していた。誕生日プレゼントは、その会社で取り扱っていたちょっと高級な雑貨だった。

社風はアットホームな感じで、どちらかと言えば経営者との距離も近い会社だった。
会社のイントラネットに、社員全員の誕生日を登録していたので、誰が今日誕生日とかが分かる。気がついたら、「今日誕生日ですね。おめでとうございます」とお互い言っていた。

管理部門が働いている事務所に来て、直接社長が誕生日プレゼントを渡していた。
後輩がもらっていた時は、みんなで「おめでとう」と言っていた。

ただ、2~3年経過した時にじわじわえぐられる気持ちになっていた。私だけ誕生日プレゼントを渡された事がなかったからだ
何でなのかは分からなかった。嫌われる程の接点ほ多分なかったし、目立つ存在でもなかった。多分、ただ単に忘れられていたのだろう。特に責める気もなかった。誕生日プレゼントをあげる基準があるのか、どう言う事情なのか考えてもキリが無いし。プレゼントが欲しいとかでは無い。ただ、存在を忘れられている様な除け者にされている様な感じがして、嫌だった。

他の人はもらっているのに、自分だけ無かったら、面白く無い人が大半だろう。たまにネットで見るお菓子外し(特定の人だけにお土産等のお菓子を配らない・除け者にする)も、じわじわダメージが来る事は想像できた。

ある日、上司に私だけ誕生日プレゼントが無いのはどうしてなのか?と話してみた。(上司と私の二人の時)上司はびっくりしていた。「何でそれ早く言わないのか?傷ついただろう?」と。
私は「プレゼントが欲しい訳じゃない。他の人に渡す時に私が居ない時に渡して欲しい(無理な話だが)と思っただけです。ただ単に忘れているだけなら、忘れる位ならみんなに渡さない方がいいのでは?」とだけ言った。事情があるにせよ、渡されない人にしてみれば、地味に傷つくことを愚痴った。私は愚痴が言えればそれで良かった。
忘れられているより、嫌いとか面と向かって言われる方がマシだった。

上司から話が行ったのか、後日お詫びと共にプレゼントを頂いた。
それでも、心の中のしこりは残っていた。もし、プレゼントもらっていた側ならば「ただ抜けていただけだし、悪気は無いと思うよ」とか言ってたかも知れない。特に悪意は無いと。された側にしてみれば、頭で理解していても、心でどうしても割り切れ無い。気にしすぎな面倒くさい奴だと思われても、何も腑に落ちない。1年じゃなくて、数年されるとどす黒い気持ちがこびりついて離れない。

結構、心を抉る体験だった。そのプレゼントを見るたびに苦々しい思いに駆られる。まだ使っていないので、さっさと使い切って捨てようかと思う。苦々しい思いが昇華出来たらと思って書いてみた。


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