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飽きろよ
「せやけど、商いは飽きないね」
それぞれの仕事の話を居酒屋でしてたときに、
いきなり何いうてんねんと思った。
「いきなりなにいうてんねん」
私は思った通りに伝えた。
「たすくくんのタスクとか言い出すとおもてるやろ」
「俺タスクちゃうねん」
「お前誰や」
なんで知らんねんと、私は言いそうになるけど、
大阪人として恥ずかしい会話を止めた。
「俺のタスク助くる人おらんわ」
的なうまいこと言うのもやめといた。
なんか自己満足感もあるし。
働いてる人って、2択やと思わんかな?と
いきなり難問をタスクは問い出した。
「だってな、休むために働くか、好きなことするために働くか、やん?」
なんかこの前誰か言うてたなあと思ったが、
誰かも思い出せない。
「誰か言うてたなあ」
思ったことを私は口に出す。機械か。
「お前どっちなん?タスク。」
「俺たすくちゃうて。」
こいつなんで名前知らんねんと思いつつ、
一応しゃあなしに考えてみる。
しゃあなしってのはしょうがないの関西弁かな。
使用がない?どうしようもない?の意味。
生姜はない。うまいけど。茄子食う時はいる。
私は一般論を口にする。
「好きなことするのしんどいからなあ。休み休みして、土日とか好きなことしよかなあって。だって好きなことしてるやつ、なんか俺はお前らの口車には乗らへんで,みたいな変なプライドあるやん」
酒で酔ってる気がした。私は止まらない。
「かといって、こーやって仕事終わったら呑んだくってつかれて、毎日疲れるわとか、お前どっちやねんとも思う。」
タスクは、なんか笑っている。
言いそうやなあお前,みたいな含み笑いで。
タスクにも同じ質問をぶつけてみたけど、
返事がない。息はしている。深めに。
目が細すぎて気づかなかったけど、寝てるやんけ。起こそうとしたら、ええこと言いそうな顔。
「なんかでも、好きなことしてるお前の働き方というか、お前の生み出すもんってワクワクするわ。枠に収まってない感じ。さすが涌井やな。」
「中日のピッチャーか」
「それ柳やろ」
言いなりで働くなんてクソ。仕事は手段。何かを叶えるためには金がいる。矢沢も言うてた。
好きなものを好きなように好きな表現で。それを生業とするか。
働いた金で好きなものに溺れるか。好きな生き方で好きなことのためになんか得意なことを生業とするか。
「労働はクソクソ言うけど、人生一回やん。働かな生きていかれへん。大事な人も子も守られへん。」
「守るもん多い奴は大変やな。」
「いつかは諦めなあかんことも出るやん。働かな生きていかれへん」
「諦めは肝心やもんな。」
なんか、終わって欲しいと私は思ったから、
この煙草が吸い終わったら帰ろ。
この話は燻り続けて、不完全燃焼のまま終わると思ったから、ちょっと深めに吸い込んだ。
人は、やっぱり働かなければ生き残れないのか。
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