【イベレポ】詩的実験!ことばフェチにはたまらない?「なぜだか気になることばたち」
こんばんは。詩のソムリエ 渡邊めぐみです。
とつぜんですが、「なぜだか気になることば」ってありますか?
フォッサマグナ。
墾田永年私財法。
スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ。
領収証。
コモドドラゴン。
きぬかつぎ。
いぶりがっこ。
音。字面。リズム。なんだか、なぜだか、気になる!
そんなことばを集めたら、詩になる??という実験を、第19回おかやま県民文化祭「備中国のくらしと音」の催しとして行いました。これはですね、たまらない面白さがありましたよ。
先生の話はほぼ聞かず、電子辞書にひたすら好きな単語を登録してうっとりながめていた高校生時代をすごした私の、念願の企画。ことばフェチにはたまらない、あっという間の濃厚な時間となりました。その様子をレポートします。
ことばの住まう家。倉敷の「分福」に集合
場所は、大正15年の古民家。
約100年のなかで、いったいどんなことばたちが、この家に染み込んでいるんだろう…。
みんなの気になることばは…?共感の嵐!
アイスブレイクののち、まずは「気になることば」を集めました。
「ランゲルハンス島」を挙げたひと。
「みんなの体内にあるのに、決してたどり着けない場所だよね」「体の部位には、かっこいい名前もあるよね」と参加者のみなさん。
ほか、近所のおばあちゃんの気になる方言や、「グラシァス」「いぶりがっこ」など…「わかる!」「おもしろい」など声が飛び交います。
「フェルナンデス」ということばが挙がったのを聞いて、「あっ、詩ができました!」と参加者。
フェルナンデス
ヘルナンデス
昼なんです
今は夜
語感の楽しさも、詩が立ち上がってくる瞬間です。最後の締めがいいですね。
ひとしきり好きなことばをシェアして盛り上がった(これ、永遠にできるくらい楽しかった…)ところで、《どうしたら詩になるか?》を考えました。
リズムを整えて、最後に締めるのはどうか?出てきた単語から、物語をイメージするのはどうか?など。
詩のソムリエからは、現代詩を紹介しながら、
・タイトルを工夫する…「五月の人ごみ」(谷川俊太郎)
・類聚(集めてみる)…「ごあいさつ」(谷川俊太郎)
・自分なりに定義してみる…「唇譜」(寺山修司)
といった手法をご紹介しました。そして、じっくりと詩作に取り組みます。
できあがった詩の一例
「雨宿り」
ぴりぴりきたから
ちょいと
角打ち
いぶりがっこで
なみなみ なみなみ
あらまあ
おひさしぶり
やあやあ
まあまあ
ひとつどうぞ
いやいや
なみなみとぶりつける
のさる のさる のさる
外にでると
あら、あられ
「ぴりぴり」は小雨がふること、「ぶりつける」は勢いをもたせる。岡山の方言だそうです。「のさる」は捗る(熊本弁)。粋なリズムにのって、気持ちよく酔っていくような詩です。「あら、あられ」は動きや表情も見えてきそう。
いぶりがっこ
ふくらしこ
はったいこ
オインコ オインコ
トリプルサルコ
家がぼりぼり建つのを
全部見てきた
近所の恒子
味わいのある楽しい作品!
「いぶりがっこ」や、「ふくらし粉」「オインコオインコ」(豚の鳴き声)はほかの参加者から出てきたことばですが、うまく取り入れて最後まで楽しいリズムで仕上げてくださいました。「家がぼりぼり建つ」というオノマトペは、恒子さん(ほんとうは近所ではない)というおばあさんからのことばだそうです。
お次は、好きなことばをつなげたら物語になった詩です。
そうなんしたチルチルミチル
ランゲルハンス島に
たどりつく
島民のコロボックルと出会い
一緒に暮らす
そこへアストドンサウルスが
チルチルミチルとコロボックル
を飲みほした
弱肉強食
みなセントラルドグマの流れ
島にはプラタナスが咲いていた
さいごの風景描写もいいですね。
「詩を書くぞ」となると、ハードルが高く、まずどう書き出していいのかわからない…という人も多いかもしれません。が、好きなことばを出してみて、眺めていると、するするっとリズムが浮かんだり物語になったりするようです。
ほかの人の出したことばが詩になっていくのも、ワークショップならではのおもしろさ!ことばとの出会いも一期一会。
書き出したことばが、どんどん風景をつくりだしていく創作のおもしろさをみんなで味わえた、濃厚な2時間でした。
ことばフェチのみなさ〜ん!ぜひご自分で、お友だちと、試してみてくださいね。
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岡山文化連盟のみなさま、分福のみなさま、そして好きなことばを持ち寄ってご参加いただいたみなさま。本当にありがとうございました。
そのお気持ちだけでもほんとうに飛び上がりたいほどうれしいです!サポートいただけましたら、食材費や詩を旅するプロジェクトに使わせていただきたいと思います。どんな詩を読みたいかお知らせいただければ詩をセレクトします☺️